DeNA必然だった“即戦力”度会の指名 リーグ最低「70」の悲劇…泣き所にドンピシャ補強

DeNAから1位指名を受けたENEOS・度会隆輝【写真:町田利衣】
DeNAから1位指名を受けたENEOS・度会隆輝【写真:町田利衣】

DeNA外野手のOPS、wRC+は両リーグワースト2位と低迷

 2023年の「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が26日に行われ、ENEOSの度会隆輝外野手が3球団競合の末にDeNAから1位指名を受けた。ここ数年、深刻な得点力不足にあえでいる中日は、度会指名を事前公表する熱の入れようだったが、結果はロッテとともに獲得を逃した。しかし、チーム事情を鑑みると、この3球団の中で最も度会がフィットしたのは、DeNAだったかもしれない。

 今季セ・リーグ3位でAクラス入りしたDeNAは、12球団4位の520得点をマーク。打率.247、105本塁打も同4位で、一般的には打力の高いチームとして知られている。しかし、成績を外野手に限ると見え方が大きく変わってくる。

 セイバーメトリクスの指標を駆使して分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、DeNA外野陣のOPS.641、25本塁打はともに12球団ワースト2位と低迷。1位の巨人は52本を放っており、“破壊力”に大きな差がある。さらに、打席あたりの得点創出の多さを示すwRC+も平均(100)を大きく下回る70で、こちらも同ワースト2位と苦戦していた。

 今季のDeNA外野手で100打席以上立ったのは佐野、桑原、大田、関根、楠本の5人。しかし、wRC+で100を超えたのは佐野(110)ひとりで、強みにすることはできなかった。こうした状況を踏まえると、アマチュア球界No.1野手との呼び声高い、度会を競合覚悟で指名に踏み切ったのも納得できる。

 チームの弱点解消にうってつけの21歳外野手――。指名漏れも経験した“苦労人”は、1998年から遠ざかるペナント制覇をもたらす存在になるだろうか。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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