“ナメるな危険”阪神助っ人の驚異の数字「12」 12球団で断トツ…打率.240も大きな貢献

阪神のシェルドン・ノイジー【写真:矢口亨】
阪神のシェルドン・ノイジー【写真:矢口亨】

ノイジーは補殺12個を記録、両リーグ唯一の2桁で断トツの数字だった

 日本シリーズで激闘を繰り広げている阪神の助っ人が持つ意外な能力に注目が集まっている。今季から加入したシェルドン・ノイジー外野手は、左翼のレギュラーを務め、18年ぶりのリーグ優勝に貢献。打撃では133試合で打率.240、9本塁打、OPS.623と、決して大砲と呼べる成績ではなかったが、守備ではアウトを荒稼ぎしていた。補殺12個は両リーグ唯一の2桁で、断トツの数字だった。

 2013年ドラフト38巡目(全体1150位)でレンジャーズに指名されたが契約せず、大学を経て2016年ドラフト2巡目(全体58位)を勝ち取った。2019年にアスレチックスでメジャー昇格し、2021年はドジャース、2022年は再びアスレチックスで89試合に出場した。メジャー時代は三塁で57試合、二塁で56試合を守り、外野の経験は5試合しかなく、すぐに適応したのは器用さを伺わせる。

 一方、セイバーメトリクスの観点から分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、外野守備の指標がずば抜けているわけではない。同じ守備機会を同じ守備位置の平均的な野手が守る場合に比べてどれだけ失点を防いだかを表す「UZR」は、平均を下回る「-7.8」。外野手の送球による貢献「Arm」も「-2.4」と、圧倒的な強肩を誇っていたわけでもなかった。

 それでも圧倒的な補殺を記録したのは、意表を突くような送球でアウトを奪ったシーンが多いからだ。ゆっくりと捕球したかと思えば、ほぼノーモーションでの三塁送球で走者を刺したり、クッションボールを素手で捕球して素早く転送するなど、走者の動きをよく観察している。一瞬でも油断をするとアウトを奪われてしまう危険な選手。日本シリーズでも補殺を見られるのか注目だ。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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