メジャー挑戦一時封印の真相 ポスティング認められず…高橋光成が繰り返した“ワード”

「日本捜索救助犬協会」の訓練見学会に参加した西武・高橋光成【写真:湯浅大】
「日本捜索救助犬協会」の訓練見学会に参加した西武・高橋光成【写真:湯浅大】

昨年オフに将来的な大リーグ挑戦を要望…来季は西武残留で「本当に優勝したい」

 メジャー移籍への想いを一時封印し、来季も西武でプレーすることが決まっている高橋光成投手が23日、残留へ至った胸中を告白。約10分間で「優勝」というワードを8度も使うなど、強いチーム愛を示した。

 昨年オフの契約更改の席で、将来的なポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦を球団側に要望。今季は3年連続で開幕投手を任され、3年連続2桁勝利となる10勝(8敗)、防御率2.21の成績を残し、今オフの動向が注目されていたが、話し合いを重ねた末に7日、渡辺久信GMが「チームにとっていてくれないと困るということ。行かせてあげたい親心もあるけど、チームとしてはそうもいかない」と明言したことで、来季のエース残留が決まっていた。

 ポスティングシステムでのメジャー移籍は球団側の容認が必要となるため、選手側の希望だけでは実現しないが、残ることを決めた胸中について高橋は「やっぱり優勝したいというところですかね。日本シリーズを見ていても、やる側でない悔しさと、そこで投げたことがない。そこで投げてみたいんです」と言い切った。

 高橋が入団した2015年以降、西武は2018、2019年にリーグ優勝を果たすものの、共にクライマックスシリーズでソフトバンクに敗れ、日本シリーズ進出を逃している。今季も5位に終わっているだけに、渡辺GMも「しっかり成績を残して、優勝してみんなが『行ってこい』という雰囲気で送り出してあげるのが一番いいと思う」との言葉を送っていた。これを受けて「来年は優勝したいので、そのためならなんでもやる。そのモチベーションしかない」と清々しい表情を見せた。

 右腕は「チームとしてもリーグ優勝、(2008年以来となる)日本一も遠ざかっているというところで、本当に優勝したいというのと……優勝したいでなく、優勝するために。力を合わせてやっていきたいです」と言葉に力を込めた。

 この日は2021年から登板数に応じた支援を行っている「日本捜索救助犬協会」の訓練見学会に足を運び、日本全国の災害現場などで活躍する犬と触れ合った。「少しでも僕にできることとして、1試合でも多く投げてサポートしていけたら。この子(犬)たちも頑張っているので、僕も頑張ろうと思いました」。約10分間に8度も「優勝」というフレーズを繰り返したパワフルエースは、気持ちを新たに、来シーズンも全力で腕を振る。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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