稲葉2軍監督「北海道をスポーツ王国にしたい」 日本ハムが力を入れる“SC活動”

「HEROs AWARD 2023」の表彰式に登壇した日本ハム・稲葉篤紀2軍監督【写真:小林靖】
「HEROs AWARD 2023」の表彰式に登壇した日本ハム・稲葉篤紀2軍監督【写真:小林靖】

ウォーキングイベントで参加者10歩につき1円をパラスポーツ団体へ寄付

 日本ハムは18日、アスリートなどの社会貢献活動を表彰する「HEROs AWARD 2023」(スポーツ団体部門)に選出され、稲葉篤紀2軍監督が都内で行われた表彰式に受賞者代表で登壇した。

 日本ハムは地元・北海道に密着した「SC(スポーツ・コミュニティ)活動」が評価された。稲葉2軍監督は現役引退翌年の2015年から「SCO(スポーツ・コミュニティ・オフィサー)」として、その旗振り役を務めてきた経緯がある。

 日本ハムのSC活動は多岐にわたっている。「フード・カウンター」はその1つで、主催試合の年間観客動員数×1円分の日本ハム製品を、北海道内の自立援助ホーム、こども食堂北海道ネットワークなどに寄贈してきた。2016年から今年までの総支援額は、1200万円を超えているという。

 ウォーキングイベントで参加者の10歩を1円に換算し、車椅子ソフトボールなど道内のパラスポーツ団体に寄付する「あしあと基金」もユニークだ。イベントに参加したことがある稲葉2軍監督は「チームのことや北海道のことを話しながら歩いて、地域の皆さんと近くで接することができたことがうれしかったです」と語る。

 スキー、スケートなどのウインタースポーツを支援する「ゆきのね奨楽金」も設けている。日本ハムにとって道内のウインタースポーツは、競技人口や観客を奪い合う競争相手ではない。稲葉2軍監督は「北海道をスポーツ王国にしたい。他のスポーツと横のつながりをつくり、みんなで手を組んで進めていきたいです」とうなずいた。

「SC活動を始めてから、数字になかなか表れないものなので、本当に地域の皆さんのためになっているのかと考えることもありましたが、この賞をいただいて、継続することの大切さを改めて感じました」と感慨深げな稲葉2軍監督。単なるプロ野球チームでなく、地域活性の鍵となる存在へ――。SC活動は日本ハムの陰のストロングポイントかもしれない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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