元タイトルホルダー、日本シリーズMVPも…今季が正念場、復活を目指す“元スター”

楽天・島内宏明(左)とソフトバンク・栗原陵矢【写真:矢口亨、荒川祐史】
楽天・島内宏明(左)とソフトバンク・栗原陵矢【写真:矢口亨、荒川祐史】

ハム淺間は昨年13試合出場、鷹・栗原は2年連続で大怪我を負った

 プロ野球の舞台は、非常に厳しい勝負の世界。実績のある選手でも、故障や不振の影響で不本意なシーズンを送るケースは少なくない。今回2024年に復調が期待される選手たちを、パ・リーグ各球団から1人ずつピックアップ。これまでの活躍をあらためて振り返る。

○淺間大基外野手(日本ハム) 2014年ドラフト3位で入団。1年目に46試合で打率.285をマークも、その後は1軍定着を果たせなかった。2021年に初の規定打席に到達して打率.251を記録したが、2022年は75試合出場に。2023年はFA移籍した近藤健介外野手の背番号「8」を受け継いだ。しかし、またも怪我に泣かされて13試合出場に終わった。昨年は同じ横浜高校出身の万波中正外野手が25本塁打、ゴールデングラブ賞に輝いた。淺間が復活を果たせば、後輩とともに鉄壁の右中間を形成できる可能性もある。

○島内宏明外野手(楽天) 2011年ドラフト6位で入団。2013年に球団創設初のリーグ優勝に貢献した。2015年以降は8年連続100試合以上に出場。2021年に96打点で打点王、2022年には161安打で最多安打のタイトルを獲得した。昨年は開幕から不振で、7月6日に1軍登録を抹消された時点での打率は.177。7年ぶりに規定打席到達を逃した。それでも8月は月間打率.375、9月は.278、10月は.318で、最終的には.236まで向上させた。終盤戦の復調を今季につなげられるか。

○栗山巧外野手(西武) 2001年ドラフト4巡目で入団。高卒4年目の2005年にOPS.811と台頭し、2008年には167安打で最多安打のタイトルを獲得した。2021年にはライオンズの生え抜きでは初となる通算2000安打業を達成した。しかし、昨年は1軍デビュー以降の20年間でワーストの打率.217に終わった。41歳シーズンとなる今季は存在感を示せるか。

○小野郁投手(ロッテ) 2014年ドラフト2位で楽天に入団。2018年から2年連続で2軍セーブ王に輝いたが、1軍では安定感を欠いた。2019年オフにFA移籍した鈴木大地内野手の人的補償でロッテへ。移籍1年目3年連続40試合以上に登板し、2022年は防御率1.99で、自己最多の18ホールドを記録した。しかし、昨年は開幕から10試合に登板した時点で故障離脱。右肘鏡視下クリーニング手術を受けた。

○福田周平外野手(オリックス) 2017年ドラフト3位でオリックスに入団し、1年目に113試合出場するなど、2年続けてセカンドのレギュラーとして活躍した。外野に転向した2021年は「1番・中堅」に定着し、リーグ優勝に貢献。2022年もトップバッターとして活躍し、外野手部門で自身初のゴールデングラブ賞に輝いた。しかし、2023年は故障もあって36試合出場で打率.191に終わった。昨季は中川圭太内野手がセンターで活躍し、今季加入した西川龍馬外野手はレフトを主戦場とする。福田が復活を果たせば、外野陣は盤石の布陣を形成できることになりそうだ。

○栗原陵矢外野手(ソフトバンク) 2014年ドラフト2位でソフトバンクに入団。2020年に17本塁打を放ち、日本シリーズでは14打数7安打、打率.500の活躍でシリーズMVPを受賞した。2021年は全143試合に出場し、打率.275、21本塁打、OPS.804をマークした。2022年は開幕からの5試合でOPS1.215と絶好調だったが、守備で交錯した際に左脚を負傷し、離脱。昨年は96試合で打率.239、OPS.690。8月に右手を骨折してシーズンを終えた。2年連続で故障に苦しんだが本来の調子を取り戻せば、打線の厚みは大きく増す。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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