西武の弱点が「一気に解消する」 21歳に覚醒の予感…専門家絶賛の“強打者にある素質”

キャンプで練習を行う西武・長谷川信哉【写真:湯浅大】
キャンプで練習を行う西武・長谷川信哉【写真:湯浅大】

野口寿浩氏がキャンプを視察、4年目の長谷川は「パンチ力持っている」

 現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏が12日、西武の宮崎・南郷キャンプを視察し、中堅のレギュラー争いに言及。目についたのは4年目の21歳、長谷川信哉外野手で、「きっかけを掴めばブレークする」と打撃を絶賛した。

 敦賀気比高出身の長谷川のフリー打撃を見届けた野口氏は「しっかりと打てた時の『パチン!』という打球音が素晴らしい。パンチ力を持っているタイプの打者特有の見事な音がしていました」と開口一番、打力の高さを認めた。

 長谷川自身も「バッティングでアピールしないとレギュラーに近づけない」と語っており、持ち味は打撃。野口氏はフリー打撃の前に行うティー打撃でも「課題を意識しながら取り組んでいるように見受けられました。課題とは前の“壁”が崩れないように。バットのヘッドを走らせて打つことをイメージしているんだと思います」。

 ところがフリー打撃に入ると「違った様子になってしまいます。打撃投手が投げた球に対して左肩が開いてしまうスイングがある。それだと打つポイントがバラバラになってしまう」と指摘。ただ、その癖を把握しているからこそのティー打撃での意識付けを行っていたのでは、と語った。

「ティー打撃とフリー打撃のギャップを埋めないといけない。毎日、考えながら取り組んでいるんじゃないでしょうか。実戦では相手投手が崩しにかかるので、その中で自分がいい形で打てる準備をしておけるかでしょうね。何度も言いますが、タイミングが合った時の打球音は素晴らしかったですから。きっかけを掴めばブレークすると思います」

長谷川の活躍次第で「問題は解消」も…ライバル多く「これからが本当の勝負」

 だからといって長谷川が安泰とはいえない。ライバルの筆頭候補に西川愛也外野手、さらに松井稼頭央監督が「若林も左膝の状態が改善された。しっかりオフにトレーニングしていました。今ファームで元気にやっているという報告も受けている」と話していたという。

「でもその中で、長谷川が打つ方で結果を出せると一気に問題は解消するんだと思います。競争は実戦が始まってくるこれからが本当の勝負。開幕しても競争は続くと思います」

 この日の練習を見る限りでは2年目の蛭間拓哉外野手が「振り自体は問題なく順調そうです。ドラフト1位入団の期待もある」と右翼に、新加入のフランチー・コルデロ外野手が左翼で当面は落ち着くと見立てている。中堅をめぐる若獅子の争いが、チームを勢いづける。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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