巨人育成19歳は「非常に楽しみ」 コーチ太鼓判…阿部監督も絶賛する怪物候補の素顔

紅白戦に出場したフリアン・ティマ【写真:宮脇広久】
紅白戦に出場したフリアン・ティマ【写真:宮脇広久】

「ほめてもらえてうれしいが、ラーメンをおごってもらえることが一番うれしい」

“金の卵”が孵化を始めた。巨人は12日、2、3軍の紅白戦を宮崎県都城市の都城運動公園野球場で行った。1軍キャンプ地の宮崎市から視察に駆けつけた阿部慎之助監督の前で、ドミニカ共和国出身の育成選手フリアン・ティマ外野手が、右翼席へ先制ソロを打ち込んだのをはじめ2打数2安打1四球と大活躍した。

 身長193センチ、体重102キロで足長。その体格だけでも強烈なインパクトがあるが、打っても、走ってもすごい。白組の「4番・三塁」で出場したティマは、2回先頭で右打席に立つと、紅組の先発左腕・鴨打瑛二投手から“逆方向”の右翼芝生席へ先制ソロを放ち、悠々とダイヤモンドを回った。

 4回1死走者なしでの第2打席は、低めの球をすくい上げ、打球は小飛球となって中堅前へ。スライディングキャッチを試みた相澤白虎外野手がボールを弾く間に、ストライドの大きい走りで一気に三塁を陥れ、豪快に足から滑り込んだ(記録は三塁打)。7回先頭での第3打席も、四球を選んで出塁。まだ19歳の“超成長株”は、打撃と走塁に関しては長所しか見えなかった。

 みそラーメンが大好物というティマのために、阿部監督はその場で「みそラーメンの“グランデ”を食べてこい」と3000円を贈呈した。予定外の“1軍監督賞”である。ティマは「阿部監督が来ていることは知らなかった。ほめてもらえたこともうれしかったけれど、ラーメンをおごると言われたことが一番うれしかった。(3000円で)餃子も別に食べたい」と会心の笑みを浮かべた。

 母国ドミニカ共和国で巨人が開催したトライアウトを受験し合格。2021年3月、16歳で巨人と育成選手契約を結んだ。それから3年。身長は変わっていないが、体重は入団当初の86キロから約16キロ増え、たくましさを増した。

 昨年はイースタン・リーグでも1試合出場、1打数無安打に過ぎなかったが、阿部監督は「非常に楽しみな素材。今年はたぶん2軍で我慢して使っていただく。レベルがワンランク上がったところで、彼がどう対応できるかを見てみたい。近い将来、助っ人になってほしい外国人選手なので」と、チャンスを与えることを明言した。イースタン・リーグで結果を出せば当然、支配下登録、1軍戦出場へと前途は一気に開ける。

「右の大谷翔平」の課題は守備…足が長すぎてグラブが地面に届かない?

 課題は守備だ。この日も平凡な三ゴロを待って捕って内野安打にしてしまい、さらに三塁線のゴロを捕り切れず、二塁打にするシーンがあった。非常に足が長い分、腰高でグラブがしっかりと地面に届いていないようにも見えた。

 脇谷亮太2軍内野守備兼走塁コーチは「体質的にしっかり股を割ることができないので、まずはグラブを低い位置に置くことを重点的に練習しています。それに、あれだけ体の大きい選手なので、打球に対する反応が遅いところがある。前後、左右にボールを投げてやりながら、少しでも速くスタートの第1歩を切る練習をしています」と明かす。

 幸いティマは明るい性格で、精神的に落ち込むところは見せない。脇谷コーチは「非常に楽しみな素材で、性格もいいので、首脳陣にも何とかしたいという思いがあります。まずは『ファインプレーをしろとは言わない。投手が打ち取った打球をアウトにしようぜ』と声をかけています」と辛抱強く育てていくつもりだ。

 大柄でパンチ力と柔らかさを兼ね備え、足も速いティマ。入団当初「右の大谷翔平」と呼ぶ声が上がったのも頷ける。1軍の試合で才能が開花する日が待ち遠しい。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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