虎の逸材19歳は「凄い投手になる」 最年長右腕も驚嘆…岡田監督も絶賛した“活躍の素質”

春季キャンプで汗を流す阪神・門別啓人【写真:小林靖】
春季キャンプで汗を流す阪神・門別啓人【写真:小林靖】

高卒2年目で1軍春季キャンプに抜擢された阪神・門別啓人投手

 阪神の高卒2年目・門別啓人投手が、17日に宜野座で行われる1軍対外試合初戦の楽天戦に登板する。昨秋キャンプから岡田彰布監督の評価は高く、一気にローテ候補に名乗りを上げている。無限の可能性を秘める左腕の凄みとは? “同じ経験”を積み、現在の地位を確立したチーム最年長の西勇輝投手は「平均値の高さ」と指摘する。

 春季キャンプも折り返し地点を過ぎ、順調に調整を進める門別。11日の紅白戦では最速148キロの直球を主体に2回1失点(自責0)の好投を見せるなど、初の1軍キャンプでも臆することなくアピールを続けている。そんな姿に、プロ16年目で33歳の西勇は「どんな投手になっていくかワクワクしますよね。年齢が離れ過ぎてるので“親目線”ですよ」と笑う。

 西勇も高卒2年目、オリックス時代の2010年に18試合に登板。ブレークの兆しを見せると、翌年から先発ローテに定着した。その後は大きな怪我もなく、ここまで7度の2桁勝利、通算118勝を積み重ねてきた。同じ高卒2年目から大きな期待を背負う後輩の姿に「紅白戦でも落ち着いてましたよね。凄い投手になる要素を兼ね備えている」と目を細める。

 高卒からプロ入りする選手は大学、社会人出身に比べ圧倒的に経験値で劣るが、門別にはそれがないという。早い段階から高卒投手が先発として活躍するには、トータル的な部分が必要。「球は速いが不安定な制球力」など、何か1つでも欠けていると1軍での活躍は難しい。

西勇も絶賛「変に色気を出さなければ凄い投手になる」

「門別は1軍に必要な最低条件が揃っているように見えます。スピード、制球力、精神力。投げてもバタバタと崩れない。これから肉付けしていく部分の平均値が全体的に高い。それを察する全ての技術もある。変に色気を出さなければ凄い投手になる」

 必死に1軍に食らいつく左腕には、メンタル面などの助言を送っている。西勇自身も当時を振り返り「僕はたまたま。運が良かった。強いて言えば(チームメートや首脳陣を含め)周りの環境が良かった」と口にする。タイプは違うが、自身の経験はこれからも惜しみなく伝えていくつもりだ。

 1軍未勝利ながら無限の可能性を秘める19歳に、寄せられる期待は増すばかり。今年初の対外試合で、どのような投球を見せるのか。阪神の背番号「30」から目が離せない。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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