「ホームランキャッチ」は今季見られる? 3年間達成者なしも…有力候補は球界屈指の名手

ホームランキャッチを見せた楽天・田中和基【画像:パーソル パ・リーグTV】
ホームランキャッチを見せた楽天・田中和基【画像:パーソル パ・リーグTV】

「ホームランキャッチ」は2020年の楽天・田中和基が最後

 捕っていなければ本塁打。そんな打球を捕る「ホームランキャッチ」は、パ・リーグでは2020年10月25日に楽天の田中和基外野手が披露したのが最後だ。今季はスーパーキャッチを見せる選手が現われるか。今回はパ・リーグでホームランキャッチが可能なポイントを検証し、有力選手を予想した。

 現在のパ6球団の本拠地で、ホームランキャッチが最も現実的なのが楽天モバイルパーク宮城だ。フェンスの高さは2.5メートル。田中和もこの球場でホームランキャッチを見せた。左中間のフェンスは1.65メートルとさらに低いため、ジャンプしなくてもホームランキャッチが可能だ。弾道が高くてスタンドにギリギリ入るような打球が発生すれば、可能性はある。

 楽天モバイルパーク宮城以外に、ホームランキャッチが可能と思われるのが、ZOZOマリンスタジアムとエスコンフィールドだ。ZOZOマリンのフェンスはラバー部分と金網部分の2段構造になっている。仮にラバー部分に乗ることができれば、フェンスより上の位置にグラブを出すことが可能だ。

 エスコンフィールドはフェンスの高さが約2.8メートル(左翼ポール際のさらに高い部分を除く)。かなりの低確率だが、長身の選手が外野守備に就いている時に、弾道が高くフェンスギリギリの打球が上がれば、不可能ではないかもしれない。

 2019年に西武・金子侑司外野手、オリックス宗佑磨内野手(当時は外野手登録)がホームランキャッチを見せたのは、ともにほっともっとフィールド神戸だった。この球場はフェンスが低く、ジャンプしてホームランキャッチが狙えるほか、ラバー部分と金網部分の2段構造となっており、ラバーに乗る形のキャッチも狙える。今季もオリックスは計8試合の開催を予定している。

 チャンスは交流戦にもある。広島の本拠地であるマツダスタジアムは、中堅付近のフェンスが低く、過去に赤松真人外野手、天谷宗一郎外野手がホームランキャッチを披露している。今季はオリックス、ロッテ、日本ハムがマツダスタジアムでの広島戦を予定。果敢な中堅手は現れるか。

 以上を踏まえて、今季ホームランキャッチを見せる選手を1人だけ予想するとしたら、楽天の辰己涼介外野手ではないだろうか。3年連続でゴールデングラブ賞に輝ている名手。ホームランキャッチが可能な楽天モバイルパーク宮城での守備機会が多いことに加え、打球への到達も速く、ホームランキャッチを準備する余裕が作れる選手だ。あとはポジショニングや打球の角度、飛距離などの条件が揃えば、期待できるのではないだろうか。

(「パ・リーグ インサイト」武澤潤)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY