甲斐野に投手コーチ“苦言”「抑えなきゃダメ」 山川斬りも…要所で痛恨「甘かった」

ソフトバンク戦に登板した西武・甲斐野央【写真:小池義弘】
ソフトバンク戦に登板した西武・甲斐野央【写真:小池義弘】

西武・甲斐野は今季初対戦となったソフトバンク・山川から見逃し三振奪う

■ソフトバンク 2ー1 西武(12日・ベルーナドーム)

 西武・甲斐野央投手が12日、本拠地・べルーナドームでのソフトバンク戦に1-0の8回から救援登板。山川穂高内野手との“因縁の対戦”は見逃し三振に仕留めたが、1回3安打2失点。今季初黒星を喫した右腕に豊田清投手コーチは「抑えなきゃだダメ」と厳しかった。

 甲斐野は同点とされた直後の8回1死二塁で山川を迎えた。昨年オフにソフトバンクへFA移籍した大砲と、その人的補償で西武に加入した右腕。“因縁の対決”に球場は大歓声とブーイングが入り混じった異様な空間となった。

「山川さんに対する意識はないけど、展開として意識しないといけない場面。山川さんというより状況が状況なので、きっちりアウトをとってセカンドランナーをかえさない思いでやっていました」

 甲斐野が心境を振り返った。結果はカウント3-2から155キロのツーシームで見逃し三振に斬り、甲斐野に軍配。それでも2点を失った内容に「古巣というよりも、普通にボールも甘かったですし、それを逃してくれなかった」と反省した。

豊田コーチは奮起求める「せっかくウチに来たんだから、やってもらいたいしね」

 現役時代はクローザーとして活躍した豊田コーチは、勝利を繋げなかったセットアッパーにあえて厳しい言葉を送った。「(特別な雰囲気は)影響あったと思うけど、そんなこと言ったって抑えなきゃダメ。大事なところで投げるために、準備して勝ち取った8回なんだから。成績がもっといいやつらは、そこじゃないところで投げているわけで。今日投げた(佐藤)隼輔だってそう。彼らに取られないようにね。競争になってくるから」。9回を無失点に抑え、ここまで6試合で防御率0.00の24歳左腕を引き合いに、甲斐野の奮起を求めた。

「投げている球がすごいのは知っている。せっかくウチに来たんだから、やってもらいたいしね。彼が入って1枚増えたのは確かだけど、結果を出すというのはもう1つ難しい仕事だからね。明日もやってもらいますよ」。期待の“愛のムチ”だった。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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