西川遥輝を「ずっと羨ましいなって」 中島卓也が明かす“はるたく”の特別な関係

日本ハム・中島卓也(左)とヤクルト・西川遥輝【写真:小池義弘、矢口亨】
日本ハム・中島卓也(左)とヤクルト・西川遥輝【写真:小池義弘、矢口亨】

交流戦で“はるたく”再会「同志?友達?そんな感じなんですかね」

 9日まで神宮球場で行われたヤクルト-日本ハム3連戦。ヤクルトの西川遥輝外野手、日本ハムの中島卓也内野手は年に一度の交流戦で、1軍の舞台で笑顔の再会を果たした。日本ハムで同僚だったときから仲が良く、ファンからは“はるたく”として人気が高いコンビだ。中島にとって、西川はどんな存在なのか――。そう尋ねると、中島は「難しいな。同志? 友達? そんな感じなんですかね」とはにかんだ。

 2008年ドラフト5位で入団した中島と、2010年同2位で入団した西川。当時は同じ左打ちの内野手でポジションを争っていたが「タイプが違ったし、一緒にやっていてもライバルだと思ったことはないですね」と中島は言う。若手時代、千葉・鎌ケ谷の2軍施設にある室内練習場で、夜遅くまで並んで打撃練習や捕球動作を繰り返したことは数えきれない。

 2011年に1軍デビューした中島は、翌2012年に105試合に出場して1軍に定着。後を追うように、西川も2012年にプロ初出場を果たした。2014年途中からは外野手として頭角を現し、盗塁王を獲得。中島も2015年に盗塁王とベストナインに輝き「プレミア12」で日の丸を背負うなど、切磋琢磨するように成長を続けていった。

 2学年下の盟友を、中島は「ずっと羨ましいなって思っていました。バッティングもだし、足も速いし。僕とはレベルが違う。センスがあるし、あと身長も高いじゃないですか」。178センチの中島と181センチの西川、3センチしか変わらないように思うが「これが違うんですよ、変わるんです。スーパースターですし。いいなーって思って見ていましたよ」と穏やかな口調で褒め続けた。

「あと何年できるか分からないですし、現役でやれているのがうれしい」

  西川は2021年限りで日本ハムをノンテンダーFAとなり楽天へ移籍も、昨季限りで戦力外通告を受け、今年から3球団目のユニホームに袖を通す。チームは変わっても、気になる存在であることには変わらない。「結果とかは見ちゃいますね。大将(中日・中田翔内野手)、岡ちゃん(ロッテ・岡大海外野手)、近ちゃん(ソフトバンク・近藤健介外野手)とかもそうですけど、やっぱり気になるので。そういう人たちとこうやって対決できるのっておもしろいです」と刺激をもらっているようだ。

 33歳となった中島はチーム一筋16年目ながら近年は出場機会も減っており、勝負のシーズンを過ごしている。それでも今カードでは3戦目に「8番・二塁」で先発出場して、第1打席に左中間二塁打を放つなど随所に存在感を示す。32歳の西川は、3試合全てに「1番・中堅」で出場。3試合連続安打に、第3戦では決勝の犠飛を放ってヒーローとなった。

「こうやって1軍のグラウンドで今年も会えた。あと何年できるか分からないですし、チームは違うけど現役でやれているのがうれしい。これからもお互いに頑張っていければいいですね」と中島。ただの元チームメートではない。特別な絆が、確かにそこには存在している。

(町田利衣 / Rie Machida)

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