野手最年長36歳に“危機感”「言い訳できない」 減った出場機会…挑む若手との戦い

オリックス・T-岡田【写真:北野正樹】
オリックス・T-岡田【写真:北野正樹】

オリックス・T-岡田、若手に混じって2軍で奮闘「僕らがいるのはおかしいんですけれど……」

 自分と向き合う日々が続いている。オリックスのT-岡田外野手が、ファームで浮上のきっかけを掴もうと必死に打ち込んでいる。「結果をどうやって出せるかというところを求めて、練習をしています」。嫌な顔はしない。現状をしっかりと説明してくれた。

 今季は開幕1軍スタートを切るも、4月11日に出場選手登録を抹消された。今でも高卒1年目の新人選手らと一緒にファームで汗を流している。36歳。プロ19年目のベテランも同じメニューをこなす。3年ぶりに怪我なくキャンプを無事に過ごし、オープン戦、教育リーグでも序盤の7試合で13打数5安打、打率.385と好調。開幕1軍に名を連ねたが、開幕カードのソフトバンク戦3連戦に出場しただけで再調整となった。5打数無安打と振わなかったが「調子自体は悪くなかった」という。

 その言葉通り、ファーム降格後の初戦となった4月14日の中日戦(杉本商事Bs舞洲)では、2回に右へ先制ソロ本塁打を放った。内角へのストレートをライナー性の打球で右ポール際に運ぶ豪快な一発だった。しかし、以後に快音は響かず5月末の打率は.146と低迷。「(ファームに)落ちてくる時の感じがよかったので、あそこで結果を残し続けていれば(1軍に)呼んでもらえたのに……」と残念がる。

 若手育成が主となるファームの環境。1軍で調子を崩し、再調整のため打席に立つ主力級の選手もいるが、育成選手の試合出場は1試合で5人で、出場機会は限られている。2010年に本塁打王に輝いた“浪速の轟砲”も例外ではなく、毎試合、チャンスを与えてもらえるわけではない。5月末までに出場できたのは18試合で、うち7試合は1打数しかない。

「ファームってそういう場ですから。若い子が実戦経験を積む場なんで。僕らがいるのはおかしいんですけれど……。チャンスが少ないのはみんな一緒ですから、そこを言い訳もできないです」

 出場機会に恵まれず残留組になることも多いが、そんな時は室内練習場でひとりマシンに向き合い、生きた球を求めて鈴木昂平育成コーチらに打撃投手を依頼して、納得するまで打ち込む。「1打席、1打席、結果を残すというのは、ファームでも一緒です。結果が欲しいですね」。打撃の内容も大事にしながら、スコアボードの「H」を点灯させるため、ひたすらバットを振り続ける。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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