宇田川優希が目指す“復活” 「強い気持ちで」向き合うリセット…「払拭しなければ」

オリックス・宇田川優希【写真:北野正樹】
オリックス・宇田川優希【写真:北野正樹】

オリックス・宇田川優希「自分と向き合う時間ができた」

 考え過ぎることなく、嫌なイメージを払拭する。2軍で調整中のオリックスの宇田川優希投手が、シンプルな考えで復活を目指している。「自分と向き合う時間ができたので。1回、リセットしてやっています」。5月17日に出場選手登録を抹消されて以降、現状に逃げることなく真っすぐな視線で答える宇田川の姿が大阪・舞洲にあった。
 
 宇田川は仙台大から2020年育成ドラフト3位でオリックスに入団した右腕。プロ2年目の2021年7月に支配下選手選手となり、剛球と落差のあるフォークで日本一に貢献した。2023年春には、第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場すべく、侍ジャパンにも選出された。

 昨季は46試合に登板し4勝2セーブ、20ホールドでリーグ3連覇に貢献。しかし、右肩痛で今季は開幕に間に合わず、4月21日に出場選手登録をされたものの、登板6試合で2敗、1ホールド、防御率3.00と安定感を欠いた。5月15日のロッテ戦で1-1の延長12回から登板し、打者3人に2四球を与え、1死を取っただけで降板すると、2日後に登録を抹消され、再び2軍での調整に戻った。

「1軍に1か月くらいいて、何度も何度もチャンスをもらったのですが、毎回、同じような失敗をして焦りもありました。メカニック的な問題なのか、メンタル的な問題なのか、はっきりとしなくて。(キャンプ以後)投げ始めて間もなかったので、リズムも掴めずいろいろと考えてしまったというのもありました」

 リセットの意味について宇田川は「嫌なイメージを払拭しなければ、自信が持てないから」と説明する。ただ、すべてを白紙にするつもりはない。「強い気持ちで投げることができれば、強いボールを投げることができます。強い気持ちで投げれば、抑えることができています」と復活への道を歩んでいる段階だ。

「今は、いろいろと考えないといけない時期なのかと思いますが、考え過ぎて自分で難しくしてしまっている部分もあります。バッター勝負ができないと自信が持てないので、本当にしっかりとやることをやりたいと思います」。自分と勝負するのではなく、打者と勝負ができるようになった時、宇田川が1軍のマウンドで躍動する。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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