難病と闘いながら出場を続けるオリ安達、今季はついに初GG賞のチャンス!?

オリックス・安達了一【写真:荒川祐史】
オリックス・安達了一【写真:荒川祐史】

今季はオールスターにも初出場、いつしかチームに欠かせない存在に

 自身初となる晴れ舞台でも、その献身性は不変だった。オリックスの安達了一内野手が球宴初出場を果たし、本拠地のファンの前で走攻守の全てにおいて躍動した。プロ入り当初に向けられた厳しい視線を跳ねのけて主力に成長した安達は、現在も難病との戦いを続けながらグラウンドに立ち続けている。不屈の精神でチームを支え続ける守備の名手は、球宴後も躍動を続けて今季2つ目の”自身初”を手にすることができるだろうか。

 榛名高校、上武大学、東芝を経て2011年のドラフト1位でオリックスに入団した安達はアマチュア屈指の内野手との呼び声が高く、即戦力としての活躍が見込まれる存在だった。長池徳士氏や石嶺和彦氏といった往年の名選手が背負ってきた背番号「3」を与えられたことからも、球団からの高い期待の一端がうかがえた。

 ところが、ルーキーイヤーとなった2012年は開幕から故障で出遅れると、シーズンが始まってからも極度の不振にあえぎ、走攻守全てでミスが目立ったことで厳しい声も少なからず寄せられることに。50試合の出場で打率.159、0本塁打、4打点、2盗塁と期待を大きく下回る成績に終わってしまい、いきなりプロの高い壁に苦しめられる形となった。

 翌年は早くも正念場のシーズンとなったが、安達は遊撃手のレギュラー格として出場を続け、7月からはほぼスタメンに定着。131試合に出場して打率.235、5本塁打、30打点、16盗塁という数字を残して確かな成長を感じさせると、翌2014年には主力として攻守に躍動してチームの優勝争いにも貢献。45犠打と29盗塁を決めて2番打者としての役割を果たすとともに、打率.259、8本塁打、50打点と打撃成績もさらに向上。いつしかチームに欠かせない存在となっていった。

 翌2015年には打率と盗塁数こそ減少したものの、自己最多の11本塁打と55打点を記録して不振にあえぐチームにあって意地を見せた。非常に高い守備力も手伝って完全にチームの中心選手としての立場を確立していたが、翌年には誰もが予想だにしなかったアクシデントに見舞われることになってしまう。

 2016年の1月、安達は厚生労働省が特定疾患に指定する難病である「潰瘍性大腸炎」を患っているという診断を受け、闘病生活を余儀なくされてしまう。一時は現役続行も危ぶまれる事態となったが、リハビリを乗り越え、4月12日に1軍復帰を果たす。その後は再びショートのレギュラーに定着し、難病と闘いながら118試合に出場。自己最高となる打率.273という数字を残し、その活躍を通して多くの人々に勇気を与えた。

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