日米2254安打の49歳がMVP 224勝左腕が2被弾…「サントリードリームマッチ」レポート

最優秀選手賞を獲得した井口資仁氏(右から2人目)【写真提供:サントリーホールディングス株式会社】
最優秀選手賞を獲得した井口資仁氏(右から2人目)【写真提供:サントリーホールディングス株式会社】

先発した工藤公康氏は福留孝介&ラミレス氏に被弾

「サントリードリームマッチ2024」が5日に東京ドームで開催された。プロ野球のレジェンドOBたちが「ザ・プレミアム・モルツ球団(以下プレモル)」と「ドリーム・ヒーローズ(以下ヒーローズ)」に分かれて対戦。パ・リーグOBも活躍した“夢の球宴”の様子をレポートする。

 今年で28回目の開催となったサントリードリームマッチ。東京ドームには試合前から多くのファンが詰めかけた。出場OBたちは打撃練習で鋭い当たりを飛ばし、シートノックでは現役さながらの軽快な動きを披露。合間に談笑したり写真撮影をしたりと交流。元ホークスの8選手が集結する一幕もあった。

 オープニングセレモニーに登場したのは、ザ・プレミアム・モルツのCMに出演している俳優の大泉洋さん。両チームへの花束贈呈に「スコール三唱」の音頭、始球式を務めた。右打席に松田宣浩氏、左打席に高橋由伸氏が立つと、「バッター多くないですか!?」と困惑しながらも、一塁けん制や「予告フォーク」のパフォーマンスを見せた。投じたボールはノーバウンドで捕手・古田敦也氏のミットに収まった。

 試合はプレモル・工藤公康氏、ヒーローズ・能見篤史氏の左腕同士の先発で幕を開けた。通算224勝を挙げた工藤氏は初回、福留孝介氏、アレックス・ラミレス氏に2者連続弾を許すなど3点を失う。今年が初出場の能見氏は初回を3者凡退。2回にはランディ・バース氏との阪神OB対決が実現し、3球三振を奪った。

プレモルが逆転勝ちで10連勝…2安打2得点の井口資仁氏がMVP

 3点を追うプレモルは3回、中村紀洋氏の適時二塁打で1点を返すと、4回には暴投と代打・吉村裕基氏の適時二塁打で同点に。その後は「バース氏が足が痛いので」という理由で代打が送られたり、試合中に上原浩治氏が電撃移籍したりと、珍場面もあった。

 プレモルは7回、日米通算2254安打を放った49歳の井口資仁氏が下柳剛氏から二塁打を放つと、左翼のG.G.佐藤氏が後逸する間に三塁へ。このプレーに、下柳氏は帽子を地面にたたきつけて場内を沸かせた。続く飯田哲也氏が犠飛を放ち、プレモルが勝ち越した。

 9回は守護神・岩瀬仁紀氏がマウンドに。ヒーローズは2死一塁から松田氏に初安打が生まれ、スタンドからは“熱男”コールが送られたが、最後はG.G.佐藤氏が遊ゴロに倒れ、4-3で終了。プレモルが10連勝を達成し、2安打2得点の井口氏が最優秀選手賞に輝いた。

「夢や感動を伝えたい」という思いから1995年にスタートしたサントリードリームマッチ。今年のイニング間にはランダムで選ばれたファンが、山本昌氏からザ・プレミアム・モルツを注いでもらうという、夢のようなイベントも実施された。今後はどんなパフォーマンスが見られるのか。早くも来年の開催が待ち遠しい。

(「パ・リーグインサイト」高橋優奈)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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