大谷翔平vsジャッジ、どちらが”歴史的”? MLB記者9人が選出…僅差の戦いに

ヤンキースのアーロン・ジャッジ(左)とドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】
ヤンキースのアーロン・ジャッジ(左)とドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】

「オオタニの本塁打や盗塁への興奮は、よりスリリングでドラマチック」

 史上初の「50本塁打&50盗塁(50-50)」に迫るドジャースの大谷翔平投手と、メジャートップの51本塁打をマークし3冠王も射程圏のヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手。たびたび比較される2人について、MLB公式が「どちらがより歴史的なシーズンを送っているか?」とした記事を掲載した。9人の記者が意見を述べている。日本では“大谷一色”となっているが、こと米国では意見が分かれている。

“大谷派”は5人。大谷は今季打者に専念し、9日(日本時間10日)を終えた時点で打率.292、46本塁打101打点、OPS.993をマーク。史上初となる「43-43」に到達し、その後も数字を伸ばしている。ジェイソン・カタニア記者は「オオタニはMLB史上初の50本塁打、50盗塁のシーズンを追いかけ、いつものように我々がこれまで見たことのないことをやってのけている。今、このスポーツで最高の攻撃力を誇るジャッジには申し訳ないが、オオタニの本塁打や盗塁への興奮は、ヤンキースのキャプテンが60本塁打以上を追いかけるよりも、シーズンの終盤においてよりスリリングでドラマチックで、そして楽しいものになるだろう」と指摘した。

 アンソニー・カストロビンス記者は「オオタニはすでに前例のないことを成し遂げている。たとえ『50-50』には届かなくても、これから記録する本塁打と盗塁のひとつひとつで、これまで存在しなかった新たな記録をつくり出す。オオタニの貢献は確かなものだ」と主張した。

“データマニア”でおなじみのサラ・ラングス記者は「最終的に何本塁打しようとも、62本塁打を打ったシーズンよりも優れたものになるだろう」とジャッジを称えながらも、「確かに盗塁しやすくなるルール変更があったが、注目すべきは、非常に優れた投手がパワーとスピードを兼ね備えたシーズンを送っているという事実です。オオタニが40盗塁に到達したことで、(投手として)200奪三振以上のシーズンと(打者として)40盗塁以上のシーズンを記録した5人目の選手となりました」とデータを交えながら大谷の凄さを指摘した。

 ほかにもブライアン・マーフィー記者は「結局のところ、オオタニのシーズンがより記憶に残るだろう。これまでに類を見ないような記録になる可能性があるからだ」、トーマス・ハリガン記者は「昨年のルール変更により盗塁が増加したことを考慮しても、『50-50』を達成する選手が(オオタニの)ほかに現れるのはしばらく先になるかもしれない」と、大谷に投票した。

ジャッジ派の意見は「やっていることは度肝を抜く」

 一方のジャッジは、打率.322、51本塁打126打点をマーク。2022年のアリーグ記録62本塁打を更新する勢いで本塁打を量産している。ウィル・レイッチ記者は、「ジャッジは60本塁打を(再び)打ちそうで、打点、四球、長打率、出塁率、OPSでメジャーリーグをリードしている。過去80年間で、ジャッジの今季のOPS+よりも優れた成績を持っていた選手は、バリー・ボンズだけだ」とジャッジを挙げた。

 マイク・ペトリエロ記者は本塁打が60本に到達するかというよりは、データで驚異的な数字を残していると説明。「彼が史上トップ10に入るほどの打撃シーズンを送っているということだ。(打撃指標wRC+で)彼より上に名前があるのは、バリー・ボンズ、ベーブ・ルース、テッド・ウィリアムズ、ミッキー・マントルだけ」と主張。同じくマニー・ランダワ記者も「ジャッジは再び60本塁打以上を打つ可能性があり、土曜日(7日=日本時間8日)に入る時点でOPS+は221だった」と指摘。ジャッジの現在のOPS+は、1998年に70本塁打を放ったマーク・マグワイアをすでに上回っており、「右打者として史上最高の打撃シーズンを送っていると言えるかもしれない」とジャッジを推した。

 マーク・フェインサンド記者は、大谷が迫る「50-50」が「より歴史的なものであることは確かだ」としながらも、「ジャッジはおそらく右打者として、史上最も優れたシーズンを達成するように見える。自身のア・リーグ本塁打記録を更新するかどうかに関係なく、それはかなり『歴史的』だ」とジャッジに票を入れた。最終結果は大谷が5票、ジャッジ4票。甲乙つけがたい結果となった。

(Full-Count編集部)

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