イチロー氏が語った松井秀喜氏の人柄「本当にびっくり」 “歴史的瞬間”で発見「年下のくせに」

「イチロー選抜 KOBE CHIBEN」として出場した松井秀喜氏(左)とイチロー氏【写真:矢口亨】
「イチロー選抜 KOBE CHIBEN」として出場した松井秀喜氏(左)とイチロー氏【写真:矢口亨】

松井秀喜氏、イチロー氏とのハグは「気持ちよかった」

 イチロー氏は23日、東京ドームで行われた「イチロー選抜 KOBE CHIBEN」と「高校野球女子選抜」に出場した。試合後には今回が初参戦となった松井秀喜氏について「ファンが多いのも理解できる」と人柄に魅了されていた。

 試合後の囲み取材現場に到着したイチロー氏は、開口一番で「松井はいいこと言っていました?」とインタビュアーに“逆取材”。「面白かったです」との返答をもらうと「ああ、そうですか。あんな明るい男だと思わなかった。本当にびっくりしました」と笑顔をみせた。

 さらに「すごく明るくて、空気がよくて、そりゃ松井ファンが多いのもよく理解できます。嫌いになる理由がないもんね」と人柄に魅了された様子だった。

 東京ドームでは今年3回目となった対戦で、松井氏はイチロー氏の思いに賛同して初参加。1打数1安打、4四球で迎えた8回2死一、三塁の第6打席で松井氏が豪快な3ランを右翼席に運んだ。ダイヤモンドを一周したゴジラを、イチロー氏は感激のハグで出迎えた。

 日本やメジャーで同時期に大活躍したイチロー氏と松井氏は、現役時代は1996年の日米野球、2003年、2004年のMLBオールスターで同じチームとしてプレーしたことはあるが、ユニホームは当時の所属チームのもの。学年もイチロー氏が1つ上と近いが、ほとんど接点はなかった。同じユニホームを着た2人がかわしたこの日のハグは、ある意味で“歴史的瞬間”でもあった。松井氏も「気持ちよかった」と感想を語って笑わせると「いい絵になったんじゃないかと勝手に思っています」と振り返った。

 事前に松井氏の呼び方についてイチロー氏は思案していたそうだが、試合後も「まだ落ち着いていなくて、色々と呼んでいるんですよ」と笑った。「ヒデキマツイ」「マツイヒデキ」「ゴジ」などと試したそうだが、イチロー氏の中ではしっくりきていないという。

「ずいぶん落ち着いているんですよ。年下のくせに。品格もあるし、だから僕はヒデさんと呼びました。結局、落ち着いていない。僕はなんか『ジラ』っていうのが好きです。ゴジラの“ゴ”をとって」と饒舌だった。イチロー氏の嬉しそうに語る様子が、この日の試合の充実感を物語っていた。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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