大谷翔平のド軍戦…観戦方法は? 入場に意外な落とし穴、元オリ右腕が明かす注意点
元オリックスの鈴木優氏がLAでのドジャース戦観戦方法を説明
オリックスと巨人で投手としてプレーし、2022年限りで現役を退いた鈴木優氏は現在、米国に留学中で「パ・リーグ インサイト」のスタッフを務めている。今回は大谷翔平、山本由伸両投手の活躍により、人気観光地となったドジャースタジアムへのアクセス方法や訪問の際の注意点について紹介してくれた。
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私がアメリカに移り住んで、よく感じることは、日本の常識は通用しないことが多い、ということだ。ロサンゼルスは、基本的に車がないと移動が難しい。日本人が当たり前に安心して利用している電車は、ダウンタウン付近を走ってはいるものの、治安的な面で、乗車はおすすめできない。
そんなロサンゼルスの交通事情や治安情報も含めて、ドジャースタジアムに行く人が、この記事を読んで、少しでも快適に楽しめるようになればと思い、現地の情報をお伝えしていきたい。
アクセス方法は3通り…一番のおすすめはレンタカー移動
まず、ドジャースタジアムへの基本的なアクセス方法は3つある。1つ目は「Uber」や「Lyft」といった配車アプリを使う方法だ。費用は少し高くつくが、比較的簡単に行くことができるので「ややこしいことはしたくない!」という人にはおすすめの行き方だ。一方で、大変なのは、帰り道だ。ドジャースタジアムでは、配車アプリ専用の乗り場がメインゲートの「サンセットゲート」近くにあるLOT11(ボールの形の街灯が目印)のみ。長い時は乗車までに1時間ほどかかることもある。
2つ目の方法は、スタジアムへの無料シャトルバス利用だ。無料シャトルバスは、ユニオンステーション発とハーバーゲートウェイトランジットセンター発の2路線ある。バスは専用レーンを通ることができるため、配車アプリやレンタカーなどよりも、渋滞の心配がいらないことも安心なポイントのひとつだ。
デメリットをあげるとすれば、開門時間に合わせて到着することができないことだ。試合前に行われる大谷選手のリハビリ中のキャッチボール姿や、山本選手の投球練習などを見たい場合は、無料シャトルバスを利用すると間に合わない。また、帰りの乗車時は、無料シャトルバスも混雑し、待ち時間が長くなるので注意が必要だ。
3つ目は、自分でレンタカーを借りて運転する方法だ。実は、これが私の一番のおすすめの方法でもある。アメリカで運転をするというハードルの高さはあるが、野球観戦以外の観光を考慮すると、最もコスパが良いと思う。移動全てで配車アプリを利用した場合の費用は、レンタカー代をあっという間に超えてしまうだろうし、バスの出発待ち時間などのように、時間に縛られることもない。
さらに球場ゲート内の駐車料金は、当日購入で35ドル(約5000円)、事前購入の場合でも30ドル(約4300円)と、なかなかのお値段だが、ゲート外の広場を利用すると5ドル(約715円)で駐車できる。3つの方法に、それぞれ、メリット、デメリットがあるため、ご都合やお好みでアクセス方法を検討いただくことをお願いしたい。
球場観戦で意外な落とし穴…厳しい持ち物検査で注意すべき点は
話は逸れるが、ドジャースタジアムを訪れる際の注意事項についても触れておきたい。まず、試合は基本的に19時10分開始のナイターゲームで、スタジアムの開場は17時10分。ちょうどお腹も空いてくる夕方の時間帯、スタジアムグルメは「ドジャードック」と呼ばれるホットドッグや、ナチョスなどが充実しているが、値段が高いのが気になるところ。食べ物は持ち込み可能となっているため、試合前にどこかでテイクアウトして持ってくることもひとつの選択肢として覚えておくとよさそうだ。
また、飲み物も、1リットル以下で未開封、アルコール以外の色のついていないものであれば、持ち込みが可能だ。スタジアム内は、水を買うにも9ドル(約1287円)程かかるし、午後8時くらいまでは、陽も出ているような暑い環境なので、水分補給は欠かせない。
最後に重要なこと。持ち込むバッグについてだ。スタジアムに持ち込めるバッグは、透明な中身の見えるバッグと透明でないバッグ1つずつまで(ただし、おむつや医療上必要な品は除く)と決まりがあり、バッグのサイズもそれぞれ細かく制限されている。スタジアムに訪れる際には、その点にも注意が必要だ。
宿泊先は3つの候補…王道はダウンタウン
次は宿泊地について。王道の選択肢となるのはダウンタウンだろう。球場もも近く、無料シャトルバスが出発するユニオンステーションも位置している。他の観光地へのアクセスも含めて、交通の便が良い場所だ。ただし、治安が良くないため、夜の外出などには注意しなくてはならない。また、ホテルの料金が比較的高いこともマイナスポイントのひとつだ。
次の選択肢となるのは、パサデナという球場から北東の山側のエリアだ。渋滞に巻き込まれにくく、治安も良く、車で10分ほどで行き来ができる。何度も観戦に行く人にとってはおすすめのエリアだ。しかし、球場以外の観光地からは距離が遠く、レンタカー以外の交通手段がないため、その点には配慮が必要となる。
最後は、ガーデナという日本人が多いエリアを紹介しよう。球場から車で30分ほどの位置にあり、無料シャトルバスが出発するハーバーゲートウェイトランジットセンターも、このガーデナエリアにある。日本食スーパーや日本語が使えるホテルなどもあるため、アメリカでの旅行が不安な人や日本食は欠かせない人にはおすすめの場所だ。
野球界の長い歴史の中でも、類を見ない活躍をしている大谷選手。その大谷選手が出場している試合を実際に目の前で観戦できる今、日本から遥か海を越えて見にくるからには、しっかり満喫できるようこの記事が少しでも助けになればうれしいかぎりだ。
(「パ・リーグ インサイト」鈴木優)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)