顔は汗だく、言葉にイライラも…大谷翔平、崖っぷちで貫くシンプル思考「2連勝でOK」

試合後の取材に応じたドジャース・大谷翔平【写真:小谷真弥】
試合後の取材に応じたドジャース・大谷翔平【写真:小谷真弥】

敗戦12分後に行われた囲み取材「2連勝すればいいゲームだと思っている」

【MLB】パドレス 6ー5 ドジャース(日本時間9日・サンディエゴ)

 崖っぷちに立たされた。黒のキャップを後ろ向きに被ったドジャース・大谷翔平投手の顔は汗だく。白のTシャツは汗でにじみ、発せられる言葉の端々には少しイライラを感じさせた。1点差惜敗から12分後に行われた囲み取材。「2連勝すればいいゲームだと思っているので。後がないとかっていう感覚自体が、今の僕には特にないかなと思うので。2連勝すればOK。そういうゲームだと思います」。ただただ3戦先勝のシリーズを勝ち抜くことだけを強調した。

 どうも流れを掴みきれない。象徴的だったのが1点を追う5回先頭だ。右腕キングの外角スイーパーをバットに乗せた。角度31度と打球は上がったが、打球速度103.5マイル(約166.6キロ)。今ひとつ打球に伸びを欠いた。フェンス手前で中堅・メリルのグラブに収まった。

 仮に本拠地ドジャースタジアムなら同点ソロになっていた。「状態自体はいいと思いますね。今日のも捉えてはいるので。あそこで入ってくれたら、ゲームを戻すいい一打になったと思いますけど。あと少しのところだったかなと思います」。唇を噛みしめた。

 5点を追う3回無死一塁ではバットを折りながらも中前打。同1死満塁からテオスカー・ヘルナンデスの満塁弾を呼び込んだ。4回以降はゼロ行進が敗戦につながったが、あえて大谷はポジティブな面に目を向けた。「あそこ(1点差)までいけたっていうのは一番自信にしていいことだと思います。あとは少しだけ流れさえつかめれば、今日も十分に勝つチャンスはあった」。運命の第4戦に視線を向けた。

「2連勝すれば勝ちというゲームだと思ってやればいいんじゃないかと。ここまで1勝2敗、というのはそこまで考えなくていい。単純に2連勝するゲームだと思えばいいんじゃないかと」。シンプル思考で勝ちを手繰り寄せる。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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