「ロバーツ監督を解雇せよ」 相次ぐ痛烈批判も…主力選手が力説「評価されていない」

ドジャースのデーブ・ロバーツ監督【写真:荒川祐史】
ドジャースのデーブ・ロバーツ監督【写真:荒川祐史】

ロバーツ監督は就任9年で8度の地区V…WSには直近8年で4度出場

 ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は2016年に就任。チームを4年ぶりにワールドシリーズへ導いた。地元紙「オレンジ・カウンティ・レジスター」は「デーブ・ロバーツ監督は負傷者続出のチームをワールドシリーズ復帰への道から外れないようにした」の見出しで記事を掲載。手腕を称える球団幹部らの声を紹介している。

 現在52歳のロバーツ監督は就任9年で、2021年を除いて8度地区制覇。ワールドシリーズ出場は2017、2018、2020年に続いて4度目となる。とはいえ、順風満帆だったわけではない。過去2年は地区シリーズで敗退。これまでに「デーブ・ロバーツを解雇せよ」といった意見はSNSに頻繁に投稿された。

 ナ・リーグ優勝を決めた後、ドジャースのオーナーであるマーク・ウォルター氏は「彼に疑問を抱いているのは、あなた方だけだと思う。彼は8年間で4度の(ナ・リーグ)優勝を果たした。これ以上の成績を残せると思っている人はいる? (8年間で4度優勝は)かなりの数だ」と述べた。

 記事は、「ドジャース経営陣の投資は評価されるものの、(ポストシーズン早期敗退などの)失望からロバーツ監督を非難する多くの人にとっては、(8年間で4度は)十分ではない」とした上でロバーツ監督のコメントを紹介。指揮官は「私は以前より図太くなること、批判は常にあるという事実をありがたく思うことを学んだ」「結果重視のビジネスであることは理解している。自分の役割や(野球の)市場も理解しているが、チームの選手が活躍してくれたことだけでうれしい」と語っている。

 パドレスとの地区シリーズを制した後、アンドリュー・フリードマン編成本部長は「私たちのファンはとても素晴らしい。期待はとても高く、期待に沿えなかった場合、多くの非難が飛び交い多くの人々が失望する。関心を持たれないより、その方がずっといい」と指摘。「10月の野球の舞台は、すべて結果に基づいている。良い結果が出ればポジティブなことが言われ、書かれる。悪い結果が出れば、本当に悪いことが言われ、書かれる」とも述べていた。

9月16日に開いたチームミーティング「本当の我々ではなかった」

 今季のドジャースは故障者が続出。シーズン前半戦終了時には15選手が負傷者リスト入りした。プレーオフでは登板可能な先発投手が3人だけという状況だったがブルペンデーも駆使し、ワールドシリーズへ進出した。指揮官は「シーズン中、諦めて来シーズンに向けてという言い訳ができた場面は何度もあった」といい、「だが、彼ら(選手たち)は、そうしなかった」と振り返る。

 この点でフリードマン氏は「怪我人が出て(チームが)少し沈んだ時期もあったと思う」とした上で「ドック(ロバーツ監督)はうまく乗り越え、チームに熱意と物事は良くなるという考え方を注入した」と称賛した。

 記事はまた、地区優勝への分岐点は9月15日(日本時間16日)のチームミーティングにあったと主張する。同13日(同14日)に始まった敵地でのブレーブス4連戦は、連敗スタート。地区2位とのゲーム差が3.5に縮まり、タイラー・グラスノー投手の今季絶望の知らせが届くなど、チームは沈滞ムードに包まれていた。

 ロバーツ監督によると、選手らに「なんて悲惨なんだ」という態度が染み付いてきたと感じたためミーティングを開いたという。当時の状況を「本当の我々ではなかったから」と説明。「選手たちに伝えたのは、お互いを信じる以上に私は彼らを信じることはできないということ。彼らは、自分を信じなければならない、そうだろう? 」「(ミーティングでは)ただ、それを明らかにしたかっただけだ」などと振り返った。

マンシーが熱弁「彼は素晴らしい仕事をしている」

 このミーティングが功を奏したのか、チームはブレーブスとの残り2試合に連勝。地区優勝へと歩を進めていった。テオスカー・ヘルナンデス外野手は「あの時は、チームとして落ち込んでいると感じた。ひとつのミーティングがすべてを変えた」と述懐した。

 マックス・マンシー内野手は、ロバーツの監督の采配で重要なのは、大きな場面よりも、細かい部分だと話した。「彼の仕事は、間違いなく十分に評価されていない」「彼はこの部屋の(実際の)男たちを監督している。誰かに言われたことを実行するのではない。彼は歩き回ってみんなと会話する。彼は投手陣の気持ちを知っている。野手の気持ちもわかっている」などと力説している。

 さらに右足首を痛めているフレディ・フリーマン内野手が、リーグ優勝決定シリーズ第6戦を欠場したことに言及。「フレディは出たがっていたが、出ない方が(チームにとって)最善なのではないかと彼らは厳しい話し合いをした。それはドックが最も得意とすること。彼はすべての投手が何を経験しているかを知っている。ドックはそれを管理し、決して表に出さない。彼は素晴らしい仕事をしている」「彼はファンから多くの批判を浴びている。でも、ファンは最終的に勝ちたいだけなんだ。ドックはそれが分かっている」と言葉を並べた。

 球団フロント、選手が絶大な信頼を寄せる指揮官。25日(同26日)に始まるヤンキースとのワールドシリーズではどんな采配を見せるだろうか。

(Full-Count編集部)

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