殺伐とした大谷会見「次やったらつまみ出すぞ」 ドスのきいた声、怒号も…異様な25分間

たくさんの報道陣に囲まれながら取材に応じるドジャース・大谷翔平【写真:小谷真弥】
たくさんの報道陣に囲まれながら取材に応じるドジャース・大谷翔平【写真:小谷真弥】

ダッシュで場所取り→おしくらまんじゅう、警備員「会見を始めないぞ」

 とんでもない熱量だった。ドジャース・大谷翔平投手のワールドシリーズ前日会見。日米だけでなく、中南米のメディアを含めて、30、40人があっという間に集結した。「いよいよ始まるなという。興奮している感じです」。大谷の生声を聞き逃さまいと、音声を録音するiPhoneを伸ばすのに必死だった。

 取材の“場所取り”からとんでもなかった。会見前、報道陣が待機していた場所から大谷のブースへは約30メートルほどの距離があった。まるで100メートル走のような緊張感。取材待機していた報道陣を見たエンリケ・ヘルナンデスが「ゴー!」と掛け声を発して、フライングでダッシュするメディアは数人どころではなかった。

 球場警備員の号令で場所取り開始となったが、各メディアが走る、走る。場所取りが終わったかと思えば、今度は“おしくらまんじゅう”だ。「皆さん、止まってください」「後ろに下がってください! お前たちが押し続けるのであれば会見を始めないぞ!」。まさかの怒号に現場は騒然。ブースの椅子に座っていた大谷はキョトン顔だった。

 取材中は取材中で、取材の規制線を守らずに録音マイクを伸ばすメディアに警備員が注意する場面も。警備員は取材パスに手をやり、「次やったらつまみ出すぞ」。野球現場では、なかなか聞かないドスのきいた声だった。

 取材終了後、大谷は会見に参加した全選手の中で唯一、警備員に守られながら会見ブースを後にした。大谷を取り巻く周囲の熱狂ぶりを感じさせる25分間だった。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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