大谷翔平の負傷にベッツ困惑「何も知らないよ」 遠征バッグに野球道具…復帰へ滲む思い

二塁上で苦悶の表情を浮かべるドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】
二塁上で苦悶の表情を浮かべるドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】

ロッカーには遠征用バッグ、投手用グラブやフットガードなどが入れられていた

【MLB】ドジャース 4ー2 ヤンキース(日本時間27日・ロサンゼルス)

 超満員のドジャースタジアムが一瞬にして静まり返った。ドジャース・大谷翔平投手は二塁ベース付近で仰向けになり、苦悶の表情を浮かべた。「肩っすね、肩。左」。左腕に負担をかけないよう90度に曲げたまま。うつむきながらベンチへ引き上げた。

 ドジャースはシリーズ2連勝発進。しかし、大谷は勝利のハイタッチに加わらず、試合終了から2分後に白いTシャツ姿で球場を後にした。ドジャースのクラブハウスは大谷の帰宅後にオープンになったが、17番のロッカー前には遠征用バッグが。チームメートとともにニューヨークへ向かうのだろう。投手用グラブ、フットガード、半袖Tシャツなどの練習着が無造作に入れられていた。復帰への思いが伝わってきた。

 いつもなら整理整頓されているロッカーだが、この日は飲みかけのペットボトルがど真ん中にポツンと置かれていた。よほど急いでいたのだろう。そして、クラブハウスの空気もどこか重かった。シリーズ2連勝で沸いているはずだったが、「オオタニ」の質問にドジャースナインは一様に表情を曇らせた。ベッツは「分からないね。僕はその時フィールドにいなかったから。僕は何も知らないよ」と話す。右足首の捻挫を抱えながらプレーするフリーマンは「次の数日間でどういう状態になるか。自分が怪我をした時は仲間たちが支えてくれた。その時と同じように支えるつもりだ」と言葉をつないだ。心に穴が空くというのはこういうことか。

 試合後の記者会見。ロバーツ監督は大谷が左肩を亜脱臼したと明かし、「筋力や可動域については問題ない」とした。今後、病院で精密検査を受け、「ラインナップに戻ってくることを期待している」とも語ったが、フルスイングへの影響も大。夜は気温1桁台と冷え込むニューヨークでは、実際に打席に立つまでは分からないだろう。それでも……。「50-50」など多くの偉業を達成した大谷の2024年はこんなところで終わるわけがない。とにかく回復を祈るしかない。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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