大谷翔平に宿る“3人の英雄” Aロッド絶賛、溢れた称賛の言葉「ユニコーン」「怪物」
「オオタニは唯一無二。ユニコーンだよ」
称賛の言葉が止まらなかった。メジャー歴代5位の通算696本塁打のアレックス・ロドリゲス氏は16日、都内で行われたトークショー「MLBレジェンド、Aロッドが世界一オオタニの凄さを語る」に登場。ドジャース・大谷翔平投手を「Incredible(信じられない)」「Phenom(怪物・天才)」と絶賛。さらに、大谷は一人で“3人の伝説選手”を体現していると言葉を紡いだ。
“A-ROD”の愛称で親しまれたロドリゲス氏はマリナーズ、レンジャーズ、ヤンキースで活躍。MVP3回、本塁打王5回など数々の功績を残した。現役引退後は野球アナリストとしても活躍。大谷が出場したワールドシリーズでも米放送局「FOX」に出演し、試合後にはトークを展開。東京でおすすめの場所などを聞く場面もあった。
大谷は今季54本塁打、134打点の2冠に輝いただけでなく、リーグ2位の59盗塁をマーク。史上6人目の「40本塁打-40盗塁」を通過点に、前人未到の「50-50」を打ち立てた。パワーとスピードの融合。大打者の目には、3人のレジェンドが重なって見えたようだ。
「オオタニは唯一無二。ユニコーンだよ。素晴らしい選手を3人集めて、1人にしたような選手だ」とAロッド。そして「投球ではロジャー・クレメンス、打撃ではバリー・ボンズ、走塁ではリッキー・ヘンダーソンのようだ。(普通は)合体させることはできないはずだ。つまり、オオタニはAIみたいなんだよ」。
クレメンスは通算354勝、歴代最多7回のサイ・ヤング賞を誇る剛腕。ボンズもメジャー通算762本塁打の最多記録保持者で、ヘンダーソンの通算1406盗塁も世界記録となっている。つまりAロッドの目には、大谷が投打走すべてにおいて“最強”と映っているようだ。
賛辞の言葉はまだまだ終わらない。「メジャーリーグは130年近い歴史があるけど、球界で唯一無二と言えるのはショウヘイ・オオタニとベーブ・ルースだけだ。わかる? 君たちのスーパースターはそういう存在なんだ」。「どれくらい唯一無二だって? 彼がフィールドに立つと、大学生が小学生に混じってプレーしているようだ。なぜなら、彼はその中で一番背が高いし、(脚が)速く、速い球を投げ、遠くに飛ばすからだ」。
興奮混じりに、そして淀みなく溢れた称賛。「なので、フッ……何度も言うけど、だから彼はAIみたいなんだ。(AIでも)ショウヘイ・オオタニのような選手を作り出すことができるかわからないよ」と、最後は思わず噴き出しながら“ショー”を締めくくった。
日本のファンの前だから、Aロッドは大谷を称賛したのか。いやそんなことはない。今季だけに限っても「オオタニは過小評価されている」(米放送局「FOX」)、「オオタニは国宝だ」(米「FOXスポーツ」の番組「The Herd with Colin Cowherd」)、「信じられない男だ。(称賛の)言葉が足りないよ」(地区シリーズ第1戦後のポストゲームショー)など、賛辞を送り続けた。天才は天才を知るーーその言葉には確かな重みがあった。
(新井裕貴 / Yuki Arai)