大谷翔平よ「何もしないで」… “諦めムード”が一転、「最悪だ」から始まった奇跡の1日

50号を放ったドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】
50号を放ったドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】

50-50の実況アナ「自分勝手ながら何もしないことを願っていました」

 ドジャースの大谷翔平投手は今季、前人未到の「54本塁打&59盗塁(54-59)」を成し遂げた。歴史的ともいえた「50-50」の瞬間を実況したアナウンサーのジョー・デービスさんが、MLB公式サイトに映像コンテンツを提供している「セスペデス・ファミリーBBQ」の公式X(旧ツイッター)で当時の状況を振り返った。

 司会者のジェイク・ミンツ氏から「あの日ローンデポ・パークで経験したこと、オオタニが達成したことを目撃し、それを実況する責任を担ったことについて聞かせてください」と聞かれたデービス氏は、驚きを持って話し始めた。

「達成するなんて思っていませんでした。あの日は木曜日で、私は週末のNFLの実況のため試合後ニューオーリンズに飛行機で向かうことになっていました。あそこで奇跡的に(50-50を)やってのけなければ、私は自分勝手ながら、実況できないことにがっかりしていたでしょう。1盗塁と2本塁打が必要だったので、あの日達成する可能性はとても低かった。正直、あの日を迎えた時の私は『これは最悪だ』という気分でした」

 ドジャースは週末にロッキーズ戦が控えており、大谷は同戦で通算7本塁打を放っていた。「なので、あの日を迎えた時の私はひそかに、そして自分勝手ながら、彼が何もしないことを願っていました。48本塁打のままで、週末のロッキーズ戦でもしかして1本打って、次の週のパドレス戦、私が戻ってくるときに実現するかもしれない、と。私がこれを実況する唯一の可能性は、そうなるケースでした」と本音を明かしたが、「実際にどうなったかは皆さんご存じの通り」という衝撃が待っていた。

 大谷は自身初の3打席連発で50本どころか、一気に51本塁打まで数字を伸ばした。盗塁も初回に50盗塁目を決めると、2回には51盗塁目を決める躍動ぶりだった。

「何もしない」どころかとてつもない快挙に、「あの日の驚くべき要素のひとつは、これが史上最高の日のひとつだったかもしれないということです。あの日だけを単独で見た場合、誰かがプレーした中で最高の日のひとつだったと思います。本当に、あの男が人間かどうか、私には分からない。野球そのものを壊すために野球の神々にここに送り込まれたのだと思います」と開いた口は塞がらなかった。

(Full-Count編集部)

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