“当事者”が語る現ドラ…成功例は「球界にいいこと」 後進のためにも「続けたら」

入団会見で握手をかわしたヤクルト・矢崎拓也(左)と小川淳司GM【写真:町田利衣】
入団会見で握手をかわしたヤクルト・矢崎拓也(左)と小川淳司GM【写真:町田利衣】

広島→ヤクルトの矢崎「自分のベストパフォーマンスをできるように準備」

 現役ドラフトで広島からヤクルトに移籍した矢崎拓也投手が19日、都内の球団事務所で入団会見を行った。今年で3回目を迎えた現役ドラフトは、大ブレークのきっかけとなった選手もいる。“当事者”はどんな思いを抱いているのだろうか。

 わずか1年で戦力外となる選手が出るなど厳しい現実もある一方で、第1回では大竹耕太郎投手(ソフトバンク→阪神)、細川成也内野手(DeNA→中日)、第2回では水谷瞬外野手(ソフトバンク→日本ハム)が移籍を機に飛躍した。

 第3回では13人の選手が新天地へわたり、来年以降も続いていく。矢崎は「新しいチャンスをものにした人がいるのは球界全体にとってもいいことだと思う。これから先自分の後に続く人もいると思うので、その人たちのためにも自分もそこに続けたらと思います」。“成功例”となることを誓う。

 慶大から2016年ドラフト1位で広島入り。8年間を過ごし、30歳から新たなユニホームを着る。「ひとつの球団で野球を終えてしまう人が大半だと思うので、それが新しいチームでまたチャンスをもらえること自体がありがたいことだと思っています。フラットに見てもらえたりとか、そういうのはいいことかなと思いますね」と前向きな心境を明かした。

 プロ入り以来、5年間で通算1勝と苦しい時期も長かった。しかし2022年に中継ぎとして47登板で防御率1.82と頭角を表すと、昨季は54登板で24セーブをマーク。今季は26登板で10ホールド、防御率3.60だった。「与えられた場所でベストを尽くすだけ。やるのは野球なので。一皮むけたいとかはないですけど、ただただ自分のベストパフォーマンスをできるように準備していくだけですね」。場数を踏んできたからこそ冷静に自分の立ち位置を見つめ、静かに闘志を燃やした。

(町田利衣 / Rie Machida)

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