曽谷龍平の“野望”は「トップレベル」 1歳下のエース宮城大弥に感化された思考
オリックス・曽谷龍平「三振を取れるのがピッチャーの魅力」
先発ローテーションを守った経験を胸に、来季も飛躍を狙う。オリックス・曽谷龍平投手は、1歳下の宮城大弥投手を目標に一流の投手を目指している。「良い成績を残せた次の年は周りの期待もありますし、それに応えるのがトップレベルの選手だと思います。一流になるためには、宮城を超える存在にならなくてはいけない。まず、宮城の次に頼ってもらえる投手になりたいと思います」。左腕の後輩、宮城をリスペクトする曽谷が顔を引き締めた。
曽谷は奈良県斑鳩町出身。明桜高(秋田)、白鴎大から2022年ドラフト1位でオリックスに入団。プロ1年目の昨季は7試合に先発登板し、シーズン最終戦で初勝利を挙げた、2年目の今季は20試合に登板し7勝11敗、防御率2.34の成績を残した。打線の援護に恵まれず勝ち星を伸ばせなかったが、「野手の方も一生懸命やった結果ですし、相手もプロですから」と意に介さない。
「ゼロで抑えれば負けはない。(ピンチを)防いでいたら1失点が無失点になっていたかもしれません。負け数も何個かは減っていた試合もあると思いますし……」。1年間、ローテーションを守ってきたからわかる課題だ。
来季は三振数にこだわりたいという。今季は投球119回で117奪三振、奪三振率8.85と決して悪くない数字だが「自分の中ではやっぱり三振を取れるのがピッチャーの魅力だと思うんで」と、2桁台の奪三振率を目指す。
長いイニングを託されるローテーション投手として2桁勝利や規定投球回のクリアを目指すのはもちろんだが、完投も目標に掲げる。今季の最長は7回0/3、投球数112。「無駄なボールを投げれば長いイニングを投げられないことは、1年間投げ続けてわかった。無駄なボールを1球でも少なくしたい」と決意を新たにする。
「1軍で投げてナンボの世界。毎日、毎日、毎試合が勝負になるので、しっかりと準備をしていきたいと思います」。ひたむきに自分を磨く宮城同様に、慢心はない。
○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)