DeNA東が抱く危機感「現状維持では通用しない」 “名誉挽回”へ…取り組む改造
昨年13勝4敗で26年ぶり日本一に貢献も…投球フォーム改造に着手した
DeNAのエース・東克樹投手が26日に横須賀市内の2軍施設で自主トレを公開し“名誉挽回”の活躍を誓った。ブルペンで中腰の捕手へ向けて22球を投じるなど、調整自体は順調だ。
2023年に16勝3敗で最多勝と最高勝率の2冠に輝き、2年ぶり2度目の開幕投手を務めた昨年は、チーム最多でリーグ2位タイの13勝(4敗)、防御率2.16、リーグ2位の140奪三振をマーク。チームがシーズン3位から日本一の座に駆け上がる原動力にもなったが、今月22日に週刊誌で不倫を報じられた。
すでに同23日に自身のインスタグラムで謝罪したとあって、この日は改めてこの件に言及することはなかったが、「結果が全ての世界なので、結果を残せるように頑張りたい」と思いを新たにした。
2年連続でエースの称号にふさわしい成績を残した左腕だが、シーズンオフに入った昨年11月には千葉・市川市の研究施設「ネクストベース」に足を運び、投球フォームを解析した。「相手も僕の投球に慣れてくるので、現状維持では通用しない。球速を上げるとか、配球を見直すとか、いろいろ変えていかなければいけないと思います」と語る。
特に、昨年140キロ台前半だったストレートの平均球速を上げたいと考えている。「(ネクストベースでの解析によると)下半身から指先への力の伝わり方に、かなりロスがありました。右足を着地した時、膝の屈曲は90度くらいになっていましたが、もっと真っすぐ、ドジャースの山本由伸投手のように、ピンと伸びた感じにしたい。その方が、股関節から胸郭、肩、肘、指先へと力が伝わりやすい。年単位で変えていけたらと思います」とフォーム改造に意欲を示した。
チームは昨年、シーズン3位からクライマックスシリーズを勝ち上がり、日本シリーズでもソフトバンクを4勝2敗で撃破して、1998年以来26年ぶりの日本一に輝いた。「大舞台を経験して、チーム全体の経験値が上がったと思います。ただ、リーグ優勝してこそ、チームが本当に強かったと言われる。短期決戦での集中力は昨年発揮できたので、シーズンを通して、どれだけ続けられるかが優勝に関わってくると思います」と27年ぶりとなるリーグ優勝を果たした上での2年連続日本一に照準を合わせる。「僕個人としても、自分のことだけにならず、チーム全体のことを見ながら頑張っていきたい」とエースの矜持を強調した。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)