日本ハム24歳、開幕投手に指名された“理由” 衝撃数値「51.2」に隠された真実
日本ハム・金村が見せる凄み…衝撃の「51.2%」
2022年ドラフト2位で日本ハムに入団した金村尚真投手。2年目の昨季はリリーフとして開幕を迎えたが、開幕から10試合で防御率0.63、6ホールドの活躍を見せると、5月8日のソフトバンク戦で先発に復帰。5月下旬から8月上旬にかけて10試合連続クオリティスタート(QS)を記録するなど、先発ローテーションの一員として存在感を示した。
先発での球種別データを見てみると、持ち球の豊富さが目に留まる。140キロ台中盤から後半の直球とツーシーム、140キロ前後のカットボールとスプリット。さらに130キロ前後のスライダーとチェンジアップ、110キロ台のカーブと、さまざまな球速帯のボールを投げ分け、打者に的を絞らせない。
変化球の中では、2ストライクに追い込んだ後の決め球としても使っているスプリットに注目したい。昨季はボールゾーンスイング率51.2%と、リーグでも上位の数値をマークした。被打率.205は持ち球の中で最も優れた成績で、被本塁打もゼロ。シーズンを通して特に信頼性の高い球種だった。
そして金村の強みは、多彩な球種を高い精度で操れることだ。ストライク率は68.4%で、100イニング以上を投げた投手の中ではトップ5にランクイン。球種別では7球種のうち4球種がリーグ平均を上回っていた。
ここまで紹介した2つのランキングでは、エース・伊藤大海投手や加藤貴之投手といった実績あるチームメートの名前も挙がった。改めて昨季の日本ハム先発陣を見ると、金村の平均投球回6.5は伊藤投手に次ぐ2番手、1イニングあたりの投球数15.0もほかのローテーション投手に並ぶ数字だ。「少ない球数で長いイニングを投げる」という先発に求められる要素を、すでに高いレベルで満たしている。
昨年11月のファン感謝イベントで、本人にも事前に知らされないサプライズの開幕投手指名を受けた金村。しかし、プロ2年目にしてこれほどの安定感を見せたとなれば、選ばれたこと自体は決して驚きではないといえるだろう。悲願のリーグ制覇に向けて、今季は背番号24がチームをけん引する。
※文章、表中の数字はすべて2024年レギュラーシーズン終了時点
(「パ・リーグ インサイト」データスタジアム編集部)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)