大谷翔平の“走塁改革” 故障を防ぐスライディング…コーチが語る狙い「より健康で」

左腕を背中の後ろに回す新スライディングを披露
ドジャースの大谷翔平投手が“スライディング改革”に乗り出している。5日(日本時間6日)はエンゼルスとのオープン戦の遠征メンバーから外れ、アリゾナ州グレンデールの練習フィールドを独占。二盗の練習では「ユニホーム破れた」とハプニングに見舞われながらも、新たなスライディングを見せた。
この日は4本の二盗練習を行い、2本目以降は左腕を背中の後ろに回す新走法に。練習に付き添ったコンディショニングコーチのトラヴィス・スミス氏は「正直ふざけているだけ。でも、最も重要なことは地面に手をつけないこと。それが今取り組んでいることだ」と説明。負傷のリスクを抑えるべく、新たなスライディングを試しているようだ。
昨年10月のヤンキースとのワールドシリーズ第2戦で左肩を亜脱臼。シーズン終了後の11月に左肩を手術した。同じ失敗を繰り返すわけにいかない。今春キャンプでは左手をつかないスライディングを披露。前日4日(同5日)の本拠地・レッズ戦では3回の右前打で二塁へ。アウトになったものの、左手をつかないスライディングを見せた。ウッドワード一塁コーチは狙いを明かす。
「以前よりいい。このスライディングをすれば、より健康でいられる。言うまでもないが、肩や手首のことがある。彼が去年肩を傷めたことは言うまでもない。より安全なスライディングだ」
「二塁や三塁へのスライディングについては、以前より上体を起こすようにすれば、長期的には故障を防げると思っている」
アウトかセーフのギリギリのプレーでは上体を傾けてスライディングするケースも。それでも、今季以降は左手をつくことを極力避けて走塁する。昨季は手から帰塁するケースもあったが、投手復帰を目指す今季は“厳禁”だ。
「際どいプレーになる場合は手を伸ばして、体を回転しがちだが、それは、やってはならない。『君はあまりに重要な選手だ。怪我をさせるわけにはいかない』(と伝えてある)。彼もそれを理解している。滑り込む時は足から滑り込んでほしい」
巨人、阪神とのエキシビジョンマッチを含め、18日のカブスとの開幕戦まで残り8試合。今季の盗塁数は自己最多59盗塁をマークした昨季から大幅に減ることが予想されているが、ウッドワード一塁コーチは「相手チームには塁上の彼を気にしてほしいし、脅威だと思ってほしい」とニヤリと笑う。投打だけでなく、走塁でもチームの勝利を求めていく。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)
