ド軍担当者も予見できなかった“チケット狂騒曲” 目の当たりにした大谷翔平人気

ビジネス戦略・アナリティクス担当部長のマイケル・スペトナー氏
今月18、19日に東京ドームで行われるドジャース-カブスの2025年MLB開幕戦を前に、ドジャースとMLBは5日、東京・虎ノ門ヒルズのTOKYO NODE GALLERYで体験型イベント「ドジャース・エクスペリエンス展 at東京シリーズ byグッゲンハイム」の幕を開けた。今月30日まで。オープニングセレモニーに登壇したドジャースのビジネス戦略・アナリティクス担当部長のマイケル・スペトナー氏は、開幕2連戦の観戦チケットをめぐる狂騒曲に言及した。
開幕2連戦の観戦チケットは、一般販売開始後あっという間に完売。転売サイトに高額で出品され、主催者側は公式サイトで不正転売が法律に違反し、当該チケットでの入場を断ることもあると注意喚起するなどヒートアップしている。
「もちろん大きな反響を予想していましたが、正直言って、その予想をはるかに超越しています。まさか、ここまでとは……」と目を丸くするスペトナー氏。さらに「実はロサンジェリーノ(米ロサンゼルス住民)の中にも、日本での開幕戦を観戦したいと考えるファンがたくさんいて、実際、かなりの数が来日する見込みです」とも明かす。
なぜ、わざわざドジャースの本拠地ロサンゼルスから地球の裏側まで来て観戦しようとするのだろうか。「理由は2つあると思います。1つは、アメリカで日本自体が人気の観光スポットになっていて、ちょっとしたブームになっていること」とスペトナー氏。日本観光の一部として組み込みたいと考えた米国人が多いようで、円安ドル高のご時世だけになおさらだろう。
「もう1つ、大谷(翔平投手)、山本(由伸投手)、そして佐々木(朗希投手)が出身地でプレーする姿を見てみたいファンも多いことです」とも付け加える。日本国内で普段それほど野球に興味を持っていない人も含め、誰もが1度は“生の大谷”を見てみたいと考えている上、米国在住のファンからも熱視線が送られているとなると、チケットがプラチナ化するのも無理はない。
大谷と山本だけでも、日本でのドジャース人気は沸騰していたが、今年は底知れない潜在能力を持つ23歳の佐々木まで加入。スペトナー氏は「率直に言って、佐々木獲得に日本のスポンサーを増やしたいという意図はありませんでした。純粋に佐々木が加わることによって、より勝利に近づけると考えた結果です」とした上で、ビジネス面でも「大変すばらしい利点となっているのは確か」とうなずく。ドジャースの担当部長も驚くばかりのフィーバーが続いている。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)
