オリ32歳が操る“魔球” 来日1年目で打者制圧のワケ…NPB最速の「145.8」

オリ助っ人マチャドのチェンジアップはNPB最速の平均145.8キロ
メジャー4年間で通算137登板の実績を持つアンドレス・マチャド投手は、2023年オフに日本でのプレーを目指してナショナルズを自由契約となりオリックスに加入した。来日1年目の2024年は5月から平野佳寿投手に代わってクローザーを任され、53登板で5勝3敗23セーブ14ホールド、防御率2.03をマーク。球団の外国人投手としては初めてシーズン20セーブを記録した。
32歳右腕の持ち球はストレートとツーシームの速球系に、スライダーとチェンジアップの2つの変化球を加えた4球種。球種別の成績を見ると、計58奪三振のうち変化球2種で38個を記録。どちらも被打率1割台中盤と打者を圧倒した。
スライダーは平均球速142.6キロと、昨季NPBで同球種を100球以上投じた109人の中ではアルバート・アブレイユ投手(西武)手に次ぐ2番目の球速。チェンジアップに至っては平均145.8キロと、ストレートのリーグ平均に迫る数値をマークした。こちらはデータを確認できる2004年以降のNPBで、1シーズンに同球種を100球以上投じた全投手の中で最速だ。
変化球のスピードが平均的な投手の速球に近いということは、球が浮いた場合に打者から見てタイミングを合わせやすくなってしまう可能性がある。高低別投球割合を見てみると、2球種とも低めへの投球が8割近くを占めており、高めに浮くケースは非常に少ない。単に球が速いだけでなく、適切なゾーンに投げ続けられるのがマチャドの強みといえる。
他の投手にはない“高速変化球”を、徹底して低めに集める。この投球スタイルにより多くの空振りを奪いつつ、バットに当てられた場合でもゴロ打球を量産することが可能になっている。1年目で証明した実力を今季も存分に示し、チームを上位進出に導きたい。
(「パ・リーグ インサイト」データスタジアム編集部)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)