戦力外→育成で覚悟の“新挑戦” 「選手生命が短くなっても」…探す居場所、開く活路

オリックス・宜保翔が新たに挑戦する“外野守備”
複数ポジションに“新挑戦”して活路を開く。オリックスの育成・宜保翔内野手が、本格的に外野守備の練習に取り組んでいる。「9:1くらいで、外野の守備練習をしていますね。今の守備力を考えたら、圧倒的に外野の方が上手くないので」。日焼けした表情を引き締めた。
宜保は沖縄県豊見城市出身。2018年ドラフト5位で入団した走攻守3拍子そろった内野手。バットコントロールが上手く、俊足で長打にしてしまう攻撃力に加え、高校時代から「スタンドを一瞬にして沸かせる」という華麗な守備が自慢だ。
プロ6年目の昨季は3月に「右肩関節前方インピンジメント症候群」と診断され、開幕1軍は逃したが5月3日に昇格。月末までの出場13試合で7打数3安打、打率.429と活躍した。しかし、右肩痛のため6月12日に出場選手登録を抹消され、7月26日のウエスタン・リーグ中日戦(杉本商事BS舞洲)で試合に復帰したものの肩の回復が遅れ、代打と代走のみの出場にとどまった。
初めて経験した肩の故障。「審判の方とぶつかった時の怪我ではありません」と説明し、懸命にリハビリに努めたが、長期離脱が予想されることから10月3日に球団から来季の支配下選手契約を結ばないと通告された。育成契約での打診を受けて参加した「みやざきフェニックス・リーグ」では、本格的な送球ができないため、DHで打席に立ち復帰への道をスタートさせた。
大きく肩を使って送球する外野手の方が、リハビリには向いていることから、同時に外野守備にも就いた。脚力を生かした広い守備範囲も魅力だった。「帰るところはもちろん、内野なんですが、外野もできた方がチーム的にもいいかなと思って取り組んでいます」。スタメンから外れた場合でも、内外野を守れることで代走起用の機会は大きく増えるとも考えている。
「外野に挑戦することで、例え選手生命が短くなってしまっても構わないと思っています」。完全燃焼の覚悟を胸に7年目のシーズンに臨む。
(北野正樹 / Masaki Kitano)
