41歳の平野佳寿、復活の鍵は“トライアングル” 厚澤コーチが目を見張る調整「初めて見た」

41歳になったオリックス・平野佳寿に厚澤コーチ「ガラッと変えるのは勇気がいる」
3月8日に41歳を迎えたオリックス・平野佳寿投手が怪我なく春季キャンプを終え、20年目のシーズンに向け調整を進めている。これまで伝家の宝刀、フォークで多くの空振りを奪ってきたが、オフの間に習得したツーシームで打たせて取る投球も身に付け、投球スタイルを大きく変えた。「僕がオリックスに来てから、こんなに投げ込んでいるのを初めてみました」と驚く厚澤和幸・1軍投手コーチが見る好調の秘密は――。
「(キャンプ地の)宮崎に来てからずっと(計測機器の)トラックマンでデータをチェックしながら、ツーシームを磨いて仕上げてきました。『自分はこれで今年、勝負をするんだ』という本気度が、もう本当に伝わってきました」。自身初の対外試合となった2月27日の韓国ロッテとの練習試合で、ツーシームとフォークを武器に1回を2奪三振を含む3者凡退の好投を見せた。
厚澤コーチは「投球スタイルをガラッと変えるのは勇気がいるものなんです。あの年齢では本当に難しいこと。技術はもちろんですが、体調が良いというのが、何よりでしょう」と、新たな試みに取り組むことができるのは、体の状態が良いからだと見ている。
さらに厚澤コーチが感じるのは、チームの先輩だった岸田護監督と比嘉幹貴投手コーチの存在だ。2学年上の岸田監督とは2005年の同期入団。1学年上の比嘉コーチとは昨年までブルペン陣を支えた仲。
「岸田監督、比嘉コーチに平野さんのトライアングル。オリックスの黄金期を支えた3人が揃っているわけですから。3人の絆、こればっかりは絶対にあると思います。僕なんかは(投手起用の)プランを練るだけです」と、現役から指導者としても日本ハム時代が長かった厚澤コーチは、結束力の強さを羨ましそうに語る。41歳の挑戦を、温かく見守っている。
○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)
