マダックス投手コーチが語る、メジャー3年目を迎えるダルビッシュ有の進化

マダックス「ルーキーシーズンとは完全に別人だよ」

 レンジャーズのマイク・マダックス投手コーチがダルビッシュ有投手の昨年以上の活躍に太鼓判を押した。「ダルビッシュ有は球界最高の選手になるために研磨する」という見出しで、米紙USAトゥデーが報じている。

 今季メジャー3年目となるエースはメジャーという環境にさらなる適応を見せている。語学習得も進み、これまで以上の活躍が期待されているという。マダックス投手コーチはルーキーシーズンの失敗エピソードを明かし、ダルビッシュの成長を語っている。

 2012年のある公式戦のことだった。マダックス投手コーチが二塁の走者を背負ったマウンドのダルビッシュに歩み寄ると、「インサイドムーブを使え」と指示。これは二塁ランナーに対する牽制を意味していたが、次の投球でダルビッシュはインサイドの高めに投げ込み、走者は楽々三盗を決めてしまったという。

「『今のは何なんだ?』と言ったのを覚えている。彼は『インサイドムーブはインサイドに投げて、バッターを動かすことだと思った』と話していたね。今や完全に別人だよ。彼は(語学習得の)講義を受けている。1年目で彼は環境に順化した。2年目は楽になったことだろう。彼のモチベーションは今、相当高い」

 マダックス投手コーチはそうコメントしている。

 すでにエースと呼んでも差し支えない活躍を見せていたルーキーシーズンと比較しても「別人」と表現するのだから、同コーチの言葉は実に心強い。メジャー屈指の名投手はもはやコーチの指示を勘違いし、ピンチを広げるようなこともないだろう。

 特集ではダルビッシュのジョーク好きで、リラックスした雰囲気も伝えている。

 現在はヤンキース入りした田中将大投手の影響で日本人メディアが少ないが、ダルビッシュは同紙の取材に対して通訳を介して「おそらく、このスプリングキャンプでとてもリラックスできている理由の一つでしょうね。注目されることは好きではありません。注目は必要ない。ここの日本メディア全員に田中の取材にフロリダに行けばいいのに、と話していますよ」とコメントしている。

 また、最近話題になった田中の大型契約に対する発言に関しては、「田中とはいい仲間で、メッセージのやり取りをたくさんしています。『お前はもらいすぎだ』というのは楽しいネタです」と語ったという。

 3年目の開幕前のキャンプでは自然体を貫くことができているようだ。一回り大きくなったダルビッシュは昨年惜しくも2位に終わったサイ・ヤング賞獲得、そして、レンジャーズのワールドシリーズ制覇という偉業に挑むことになる。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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