最下位ロッテの“救世主” 衝撃打棒の19歳捕手…ドクターKも、多士済々の23

ロッテ・寺地隆成【写真:小池義弘】
ロッテ・寺地隆成【写真:小池義弘】

中森はロングリリーフ→セットアッパー→勝利の方程式に定着

 プロ野球は26日から後半戦がスタートした。前半戦はパ・リーグ最下位に沈んだロッテだが、若手の成長も確かに感じられた。今回は、今シーズンの満年齢が23歳以下の選手から1軍の舞台で存在感を発揮している選手について、投手と野手から3名ずつピックアップ。前半戦の活躍を振り返るとともに、今後のさらなる躍進にも期待を寄せたい。(※成績は7月18日の試合終了時点)

 田中晴也投手は高卒2年目の2024年に1軍デビューを果たし、4試合に先発登板して防御率1.80と好投を見せた。今季はシーズン序盤から先発陣の一角として登板を重ね、4月には3試合に先発して防御率2.12、奪三振率11.12、K/BB7.00と抜群の投球内容を示した。

 5月も同じく3試合に先発登板し、月間防御率2.37。6月は3先発で月間防御率3.12、奪三振率12.46を記録した。ここまで11試合の先発で防御率2.62、奪三振率9.37、K/BB3.24と印象的な投球を見せており、シーズン後半はさらなる活躍が期待されるところだ。

 高卒2年目の木村優人投手はリリーフとして開幕1軍入りを果たし、3月30日のソフトバンク戦でプロ初勝利を記録した。4月は5試合で10イニングを投じて与えた四球はわずか1、2ホールドを挙げて月間防御率0.90だった。5~6月は調子を落としたが、7月2日の楽天戦では6回2/3を3失点と試合を作る投球を見せ、先発としての初勝利をマークした。前半戦が17試合に登板し、35回1/3で防御率2.80と好成績。後半戦は先発ローテ定着なるか注目だ。

 中森俊介投手は開幕からリリーフとして1軍に帯同し、シーズン序盤は主にロングリリーフ要員として登板を重ねた。好投を続けて首脳陣の信頼を勝ち取り、5月途中からはセットアッパーに昇格。同月は8登板で5ホールド、防御率1.23の活躍で、交流戦期間の途中からはクローザーへと配置転換となった。7月は腰痛で出場選手登録抹消されていたが、24日には初の球宴出場も果たすなど、飛躍の時を迎えている。

山本は交流戦で5HR…ドラ1西川も徐々に本領発揮

 野手の活躍も目覚ましい。寺地隆成捕手は高卒2年目の今シーズンに自身初の開幕1軍入りを果たし、4月には13試合に出場して2本塁打、打率.344。「打てる捕手」と才覚を発揮した。交流戦以降は攻撃的な2番打者として起用されつつ、打率.275、5本塁打と一定の数字を記録。7月17日には自身初の4番を任されるなど、19歳の若さで正捕手の座をつかみつつある非常に楽しみな存在だ。

 山本大斗外野手は昨季、イースタン・リーグで本塁打と打点の2冠王に輝く活躍を見せたが、1軍では5試合の出場で打率.111と苦戦を強いられた。今季も4月は10試合で打率.133と確実性を欠いたが、5月に入ってからは18試合で2本塁打を放ち、月間打率.267と徐々に適応。交流戦期間が始まったタイミングで4番打者へと抜擢された。

 そして、交流戦では18試合で5本塁打、10打点とハイペースで本塁打を記録し、中軸としての期待に応えた。前半戦だけで本塁打数を2桁に乗せた22歳の俊英が、このままチーム待望の和製大砲へと成長を果たすかは大いに注目されるところだ。

 ドラフト1位ルーキーの西川史礁外野手はオープン戦で打率.410と好成績を残し、見事に開幕スタメンの座を勝ち取る。開幕戦から5試合連続安打と出だしは好調だったが、4月の月間打率は.129とその後は絶不調に陥った。5月18日の北海道日本ハム戦では延長12回に殊勲のサヨナラ安打を放ったものの、5月の月間打率も.129とプロの壁に苦しめられていた。

 しかし、6月には月間打率.441と抜群の高打率を残し、10試合で7打点と勝負強さを大いに発揮。7月に入ってからも14試合で月間打率.281と一定以上の数字を記録しており、7月17日には1番打者として起用されて2安打を記録するなど、大学時代の打棒を徐々に見せている。

 先発とリリーフ、そして打線の中軸になり得る若き逸材たちの台頭が見られる点は、今後のチームを占ううえでも非常に頼もしい要素と言えよう。残るシーズンにおいて、今回取り上げた6名の若武者たちがこのまま主力としての地位を固められるかどうかに、今後はぜひ注目してみてはいかがだろうか。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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