オリ中川圭太が積み重ねる“凡打の感覚” 7年目の飛躍支えた意識「真逆のことをやってます」

オリックス・中川圭太【写真:北野正樹】オリックス・中川圭太【写真:北野正樹】

新たな取り組みが実った7年目「自分のものになりつつある」

 オリックスの中川圭太内野手が、昨年のシーズン途中から取り組んだ新しい打撃が結実し、7年目のシーズンを打率3位(.284)で終えた。「去年からやってきたことがまだ完全ではないんですが、自分のものになりつつあります」。いつもは慎重に言葉を選ぶ中川が、笑顔でシーズンを振り返った。

 中川はPL学園、東洋大から2018年ドラフト7位で入団。左右に打ち分ける巧みなバットコントロールには定評があり、1年目の交流戦で首位打者に輝いた。チャンスにも強く、当時の中嶋聡監督から“無敵の中川”という異名を授けられたこともある。

 新しい打撃は、自然な体の動きを重視したもので、怪我で戦列を離れた昨季のリハビリ中に思いついた。それまでは打席の中で打つ方向を決めてコンタクトしていたが、イメージした打球を打つために、体の使い方への意識を大きく変えた。「これまでと真逆のことをやってますね。今は、こういう体の使い方をすれば、こういうスイングができて、こういう打球が打てたという感じです」と説明する。

 自然な体の反応でバットが出て、打球がヒットゾーンに飛んでいく。上体を崩されてバットに当てるのではなく、確実にコンタクトするから強い打球が野手の間を抜ける。本塁打は2023年の12本に並んだが、「2年前は狙って打てた12本。今はこういうバットの出し方をすれば勝手に角度がつくというか、自分で(打球を)上げようとせず、勝手に飛んでいく状態でした」と振り返る。

 月別の打撃成績では7月に.301、8月には.400をマークし、一気に打率上位に食い込んだ。「8月は体の状態もよく、イメージした通りに体が勝手に動くというのもありましたし、8月は運気がいいんですよ」と明かす。

 もちろん順風満帆だったわけではない。シーズン終盤の9月は.217と伸び悩んだ。「9月は、もう一段新しいステップに行くためにはどうしたらいいのか、というのをやっていました。同じ凡打というのが自分の中にはなくて、見ている人には同じような凡打だったとしても僕の感覚としては全く違うんです。なぜこういう打球がいったのか、なぜ失敗したのかを積み重ねていくんです」。

 スコアボードの「H」ランプを点灯させることに気を取られることなく、凡打のなかに明日につながる打撃の感覚を磨き続けてきた。「去年やろうとしていたことプラス、新しいオリジナルも見えてきました」。中川は8年目のシーズンも進化を楽しむつもりだ。

〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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