オリ救援陣を支えた“58&50” 若手に成長の兆し…トレード加入の36歳右腕も奮闘

チーム先発最多25登板の九里亜蓮が投手陣をけん引
2025年シーズンは岸田護新監督のもと、74勝66敗3分、勝率.529の3位で終え、2年ぶりのAクラス入りを果たしたオリックス。今季の投手陣ではFA加入の九里亜蓮投手が勝ち頭となり、チーム最多の11勝を記録。リリーフ陣では才木海翔投手や川瀬堅斗投手など、育成出身の若手台頭が目立った。
広島からFAで加入した九里投手は移籍1年目の今季、大車輪の活躍を見せた。4月5日の日本ハム戦で8回1失点で移籍後初勝利をつかむと好投を続け、4月の月間防御率は1.16を記録し先発陣をけん引した。
7月は4試合で1勝2敗、防御率4.50と少し数字を落としたが、終盤にかけて持ち直し、9月は4試合で2勝0敗、計26イニングを投げ、防御率1.04と好成績を残した。9月29日の楽天戦では移籍後初の完封勝利も記録。日本ハムとの「2025 パーソル クライマックスシリーズ パ」ファーストステージ」第2戦でも、2番手として4回無失点の好救援を披露するなど、シーズンを通して貢献した。
九里に次ぐ8勝をあげた曽谷龍平投手は、3年目の今季、自己最多の21試合に先発。5月18日の西武戦では、4安打無四死球6奪三振1失点で自身初の完投勝利を挙げた。6月以降は好不調の波があったものの、7月11日の日本ハム戦で8回10奪三振無失点と好投し、キャリアハイの8勝目をマーク。今季登板した日本ハム戦3試合では19イニングを投げて、防御率1.89と好相性を見せた。
背番号「18」を背負い開幕投手を務めた宮城は、4月に4試合に登板し計30イニングを投げ、防御率1.50の好成績をマーク。5月21日のロッテ戦以降、約2か月白星から遠のいたが、7月30日の西武戦から4連勝で7勝3敗とし、レギュラーシーズンを終えた。
先発ローテーションの一角として期待された5年目の山下舜平大投手は、腰のコンディション不良により出遅れ、9月7日に初登板。18日の登板では今季最長の7.2回を1失点に抑えるなど、9月は3試合で防御率1.37の好成績を残した。来季は開幕から万全な状態で一年間投げ切る活躍が期待される。
リリーフ陣は助っ人右腕2人がフル回転の活躍
昨季までの顔ぶれから変化があった中継ぎ陣だが、前年に続き活躍を見せたのが、2人の外国人投手だ。アンドレス・マチャド投手はチーム最多の58登板、リーグ3位の28セーブをマークし、自身が持つ球団外国人投手最多セーブ記録を更新。6月5日から8月9日まで20試合連続無失点と、抜群の安定感を披露した。
昨季途中から加入したルイス・ペルドモ投手も、マチャドに次ぐ50登板、リーグ2位タイの33ホールドと頼もしい活躍を見せた。4月22日から7月6日まで17試合連続ホールドポイントを挙げており、交流戦ではセ・リーグ全球団からホールドを記録した。
育成出身の若手投手も飛躍を遂げた。才木海翔投手は6月中旬に初昇格すると、28日の楽天戦でプロ初勝利をマーク。8月11日のロッテ戦では、2点リードの延長10回に登板。全てのアウトを三振で奪い、プロ初セーブを挙げた。38試合に登板し、2勝1敗、11ホールド、4セーブ、防御率1.87を記録し、ブレイクを果たす1年となった。
初の開幕1軍をつかんだ川瀬堅斗投手も、4月22日のソフトバンク戦でプロ初ホールド、8月23日の楽天戦ではプロ初勝利を収めるなど23試合に登板し、一軍で多くの経験を積んだ。
5月30日に中日からトレードで加入したプロ18年目・36歳の岩嵜翔投手の奮闘も見逃せない。6月28日の楽天戦で通算100ホールドを達成。シーズン中盤以降は勝ちパターンに定着し、37試合の登板で4勝1敗、16ホールド、防御率2.12と安定感のある投球でブルペン陣を支えた。
チーム防御率はリーグ4位タイの3.37と、昨季の2.82から数字は落としたが、若手の成長が目立った。3年ぶりのリーグ優勝を狙う来季は、投手力の底上げが躍進のカギを握りそうだ。
(「パ・リーグ インサイト」西嶋葵)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)