V奪還に新設された“役職” 岸田オリックスの強化ポイント「もっと突き詰めていく」

オリックス・岸田護監督【写真:栗木一考】オリックス・岸田護監督【写真:栗木一考】

オリックス・岸田監督「1点を防ぐ野球がどれだけできたか」

 オリックスは、2026年の春季キャンプのテーマに「ディフェンス力強化」を掲げ、3年ぶりの優勝を目指す。「1点を防ぐ野球がどれだけできたかというと、半分ぐらいでしょうね。チームの方向性は変わらないですが、もっと突き詰めていくキャンプになると思います」。就任2年目を迎える岸田護監督が、静かに口を開いた。

 2025年オリックスの打撃は、2024年より大幅に改善した。打率は1分7厘アップの.255(リーグ2位)、本塁打も29本増の100本(同3位)、打点も98点増の488点(同3位)。一方で、失点は71点増の519点に。原因は様々だが、チーム関係者によると守備で防げる失点が多かったというデータも出たという。

 その反省から生まれたのが「ディフェンス担当」というコーチの新設だった。岸田監督の発案で、山崎勝己バッテリーコーチが兼務することになり、秋季キャンプから練習を始めた。塁上の走者にリードを取らせないためには投手のけん制やクイック投法のほか、内野手とのピックオフプレー、外野手との連携などが必要になる。練習には、比嘉幹貴投手コーチだけでなく、齋藤俊雄総合コーチや安達了一、松井佑介の内外野の守備走塁コーチも加わり、各担当コーチが意見を出し合い選手の練度を高めていた。

「どうやって1点を防いでいくかというところには、いろんな要因があります。それを1個1個つぶしていくということです」と岸田監督。山崎コーチも「1年間やってみて、みんなで1点を守ろうという認識がちょっと薄くなっていると感じました。例えば、走者二塁で外野にタイムリーを打たれてホームでセーフになると、クローズアップされるのは外野手の送球やチャージになります。でも、二遊間(の野手)が走者を引き付けたりすることで、リードを取らせず一歩でも(スタートを)遅らせたりすることができるんです。春季キャンプでも、チームとして守りの部分を強化していけたら総合力はアップできると思います」と狙いを説明する。

 守備力や状況に応じた打撃などで「野球を知っている」と岸田監督からの評価が高い11年目の大城滉二内野手は「守備面で期待されて監督に起用されていると思いますが、エラーもできないプレッシャーの中でプレーするのは嫌いじゃない。期待を裏切らないようにやっていきたい」と守り重視のチーム方針を歓迎していた。

「当然、(目標は)優勝です。昨季は最低限のAクラスに入り、クライマックスまで楽しんでいただけたのはよかったのですが、(今季は)1試合1試合食らいついて、1個1個(勝ちを)拾っていくつもりでやります。長いシーズン、手を抜くことなく1戦1戦やるしかないと思います」と岸田監督。隙のない野球で3年ぶりのV奪還を果たす。

〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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