元中日37歳が監督就任 指導者は全員“NPB経験者”…社会人で異色の人選「説得力がない」

三協グランハーツ・亀澤恭平監督【写真:喜岡桜】
三協グランハーツ・亀澤恭平監督【写真:喜岡桜】

三協グランハーツの監督に亀澤恭平氏が就任

 総合建設業・三協クリエイトが23日、岡山市内の本社ビルで記者会見を開き、2月に発足した社会人野球チーム「三協グランハーツ」について説明した。社会人野球では異例の監督・コーチ全員が、NPB経験者という陣容。チーム編成を担当した亀澤恭平監督(元ソフトバンク、中日)が、首脳陣を元プロだけで構成した理由を明かした。

 野球だけでなく同社の仕事においても「自ら考え、自ら行動を起こす」人材を育成し、まずは5月に開催される都市大会に出場するため、短期間で「絶頂期へと持っていく」と意気込んだ亀澤監督。そのため、昨季まで指揮を執っていたショウワコーポレーションで、ともに選手を指導していた元西武・松本直晃氏がヘッド兼投手コーチに就任し、再びタッグを組む。さらに元広島の高橋大樹氏が打撃・守備コーチを務める。

 亀澤監督は、指導者を元プロで固めた理由を「何万人の中でプレーをして、そこでしか味わえない経験をした人がスタッフにいることによって、言葉の重みといいますか、選手にとっても伝えられたことの感じ方が違うと思います」と話すと、「僕自身も、その“宝”を伝えてもらえたことが刺激になったことがあったので」と説明した。

 人選には亀澤監督のこだわりがある。声をかけたのは「成功者ではなく苦労をした元プロ選手」だ。「センスがあってできる人の言葉は、僕の経験上、説得力がないんですね。対して(プレーがうまく)できなかった指導者は、感覚でものを言わないんです」と語り、スキルアップに悩む選手をコーチングすることは「誰でもできることじゃないと思っているんです」と見解を示した。

プロで挫折をした経験を持つ指導陣「誰でもできることじゃない」

 2012年に交流があった高橋コーチには「ドラフト1位という肩書きを背負いながら、こうでもない、ああでもないと悩んでいましたが、花が開かなかった」と、その経験を踏まえて選手に指導していってくれることを願う。「彼だったら若い選手にうまく伝えられると思っていますし、言葉の重みもある」と期待した。

 松本チーフ兼投手コーチについては「大学に、僕の後釜として野手として入りましたが、その後、投手転向した経歴がありますし、西武でもなかなか芽が出ずに苦労していました」と、20年近い付き合いを思い返しながら厚い信頼を寄せた。悔しい日々をたくさん過ごした分だけ、苦しむ選手に寄り添うことができる。

 37歳となった亀澤監督自身も、四国IL・香川オリーブガイナーズを経て2012年に入団したホークスで、激戦区だった二遊間の支配下登録を狙うも、3年目オフに自由契約に。2015年に移籍した中日でブレイクの兆しを見せた。1軍での成功経験だけでなく、そうなるために探求したことも亀澤監督の“宝”だ。

「創部1年目の歴史的快挙」となる全国大会出場を目指し、抜擢したコーチ陣とともに、若い選手の能力を引き出していくことに尽力する。

(喜岡桜 / Sakura Kioka)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY