佐藤輝明が躍動で…専門家が察する指揮官の胸中 2人の大砲君臨で「どうしようか、と」

初回に先制3ランを放った侍ジャパン・佐藤輝明【写真:加治屋友輝】
初回に先制3ランを放った侍ジャパン・佐藤輝明【写真:加治屋友輝】

新井宏昌氏、侍の三塁&外野事情を解説

 井端弘和監督の起用法を迷わせる豪快なアーチだった。野球日本代表「侍ジャパン」の佐藤輝明内野手が27日、バンテリンドームで行われた中日との強化試合「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2026 名古屋」に「4番・三塁」で出場。第1打席でチームを勢いづける先制3ランを放って5-3の勝利に貢献した。

 初回1死一、二塁。中日・柳の初球、内角低めに食い込んでくるカットボールをすくい上げるように捉えた。右中間スタンド中段で弾む特大の131メートル弾。現役時代に通算2038安打をマークした野球評論家・新井宏昌氏は「いい場面で最高の結果を出したと思います」と絶賛した。

「決して簡単な球ではありませんでした。ジャパンのユニホームを着て試合に出ていますけど、何度も試合をしているバンテリンドーム。柳投手とも何度も対戦していますし、セ・リーグの試合の延長戦のような感じで力むことなく、打席を迎えたのが好結果につながったように見えました」

 3安打5打点だった22日のソフトバンク戦(サンマリン宮崎)から好調が続く。待望の侍1号でWBCに弾みをつけたが、本番でもすんなり起用されるかは不透明な状況だ。定位置の三塁には前回の世界一メンバーでもあるブルージェイズ・岡本、ホワイトソックス・村上と今季からメジャーに挑戦している2人がいるため「井端監督も悩むと思います」と指揮官の胸中を思いやった。

「ポジションが重なる岡本選手、村上選手が合流して試合に出るのは本番前にたった2試合しかない。そこで井端監督も『どうしようか』と悩むはずです。選手起用を悩むぐらい、佐藤選手がいいものを出している。試合に出したいプレーヤーです。三塁でいくのか外野でいくのか。どのようにスタメンを決めるか、見ものだと思います」

「悩ませるだけの結果を出しています」

 昨季40本塁打、102打点で2冠王となった佐藤の爆発は想定できたとはいえ“うれしい誤算”でもある。岡本、村上についても「メジャーのオープン戦で結果を出しています。決して状態は悪くない」と見ている。そうなると誰を三塁で起用するのか。DHは大谷がいるため、併用なら3人のうち2人は一塁や外野に回ることになる。

 ただ、外野の層も分厚い。メジャー組の鈴木、吉田に加え、安打製造機の近藤、俊足の周東、2024年のプレミア12で4番を担った森下ら使いたい選手がズラリと並ぶ。「三塁と外野はみんな実績があって、状態がいい。井端監督は誰をスタメンで使うか悩むでしょう。悩ませるだけの結果を、佐藤選手が出しています。それは森下選手も同様です」。

 投手は救援陣に離脱者が続いた上に大勢の緊急降板もあって「心配です」という一方で、野手は「スタメン起用をどうするか、うれしい悩みがある」。実績が十分な上に好調な選手が多く、期待感が膨らむ。

 短期決戦は状態のいい選手を優先的に起用するのが鉄則。状態がいい選手が多いのは、2度目の連覇を狙う侍ジャパンにとって心強い限りだ。注目の用兵は、井端監督の腕の見せどころとなる。

(尾辻剛 / Go Otsuji)

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