根尾昂の「1軍定着は難しい」 侍Jで躍動も…専門家が指摘した大化けを阻む“弱み”

侍ジャパンのサポートメンバーとして登板した根尾昂【写真:小林靖】
侍ジャパンのサポートメンバーとして登板した根尾昂【写真:小林靖】

新井宏昌氏、侍サポートメンバーの根尾の投球を解説

 根尾がブレークするには制球力を磨く必要がある。野球日本代表「侍ジャパン」のサポートメンバーに選出された根尾昂投手(中日)は3日、京セラドーム大阪で行われた「2026 ワールドベースボールクラシック 東京プール presented by ディップ 強化試合」の阪神戦で救援登板。1回を投げて3者凡退に封じた。

 1点リードの9回に登板。先頭の熊谷をカウント2-2と追い込むと、最後は内角高めの146キロ直球で左飛に仕留めた。続く谷端も内角高めの146キロ直球で左飛。最後は小野寺を外角148キロ直球で右飛に抑えて試合を締めくくった。

 結果だけ見れば、危なげない3人斬りでのセーブ。ただ、最初の2人は、内角高めに抜けた球を打ち損じたようにも見える。直球の最速は149キロ。現役時代にNPB通算2038安打を放ち、MLB中継の解説でも活躍中の野球評論家・新井宏昌氏は「もう少し制球力が必要だと思います」と分析した。

「テンポよく、小気味よく投げていたと思います。ただ、少し力んでいた部分があると思いますね。右打者の内角高めに抜けていく真っすぐがありました。それを阪神の若い選手が手を出してくれて、凡打にはなりましたけど……。今の彼の球威、球速、変化球を含めても、やはりもう少し制球力が必要だと感じます」

 投打二刀流の逸材として注目され、2018年のドラフトで、4球団1位競合の末に中日に入団。遊撃手でプロのスタートを切ったが、外野手への転向、二刀流でのプレーなど紆余曲折を経て、2023年から投手に専念して調整している。1軍に定着したシーズンはなく、今年は勝負の8年目を迎えている。

侍ジャパンのサポートメンバーとして登板した根尾昂(左)【写真:加治屋友輝】
侍ジャパンのサポートメンバーとして登板した根尾昂(左)【写真:加治屋友輝】

身長177センチがネック「ボールにあまり角度がない」

 身体能力の高さは誰もが認めるところだが、身長177センチは投手として決して大きくとは言えない。新井氏も身長は気になるようで「背が高くないので、ボールにあまり角度がない」と指摘する。「長年、野球を見てきましたけど、そういう投手は長いイニングはなかなか持たないんです」と続けた。

「球に角度がない投手は、球数が増えてくると、ことごとく打たれます。球威が落ちてくると打ち込まれる可能性が高い。根尾投手にも当てはまると思います。制球よく低めに丁寧に投げないと、厳しいかなと思います」

 根尾の投球については「球速はそこそこありますし、いいフォークも投げていました」と評価する部分もある。その一方、どうしても身長が気になる。「テンポも良くて投手らしいんですけど、体格面と、もう一つ球威が足りないという部分もある」と不安な点を挙げた。

「これから先発するにしても、中継ぎに入るにしても、とにかく両サイドへの低めのコントロールを磨くべきだと思います。それがなければ、1軍定着は難しい。年間を通して1軍のベンチに入って戦力になるというところは勝ち取れないと思います。細かい制球力を磨いてほしいなと思います」

 高いポテンシャルを誇るだけに、周囲は飛躍を期待する。プロ8年目とはいえ、まだ25歳。殻を突き破ってブレークする可能性は十分にある。そのために磨くべきは低めへの制球力。まだ取り組む時間は残されている。

(尾辻剛 / Go Otsuji)

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