2回無失点も…宮城大弥が「全然良くない」 重要な第2先発だからこそ…米国ラウンドで「やられてしまう」|解説者の眼

チャイニーズ・タイペイ戦の4回から3番手で登板した宮城大弥【写真:中戸川知世】チャイニーズ・タイペイ戦の4回から3番手で登板した宮城大弥【写真:中戸川知世】

WBC初戦で3番手として登板した宮城の投球内容に注文

 野球日本代表「侍ジャパン」の宮城大弥投手が6日、東京ドームで行われた第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド初戦、チャイニーズ・タイペイ戦の4回から3番手で登板。2回無安打3奪三振無失点に抑える一方で、3四死球と制球面に不安を残した。

 4回1死、カウント1-2と追い込んでから内角への投球を続けたが、仕留めきれずに四球。右打者へのクロスファイヤーが決まらない場面が目立った。5回は先頭の右打者にカウント2-2から死球。1死一塁から四球を与えてピンチを招いた。無失点で切り抜けたものの、2回42球の球数は少し多くなった印象だ。

 現役時代はNPB通算89勝をマークした右腕で、NHKのMLB中継などで解説を務めている野球評論家・武田一浩氏は「去年あたりから力んで投げているのが目立ちます」と指摘。「力いっぱい投げすぎています。変化球も曲がるのが早い。本来の宮城の姿じゃないですね」と首を傾げる。さらに、こう続ける。

「メジャーに行きたいからスピードを出したいんでしょうけど、本来そんなタイプの投手ではありません。速球派じゃない。時々150キロ出るからいいんですよ。本当はもっとコントロールよく投げられる投手なのに、今は違う方向に行っている。全然良くない。修正しないとダメですね」

2回無安打3奪三振無失点も…3四死球で制球面に課題残す【写真:中戸川知世】2回無安打3奪三振無失点も…3四死球で制球面に課題残す【写真:中戸川知世】

 右打者の内角を何度も攻めながらボールとなり、球数がかさんでいった点にも言及。「内角ばっかり投げていてカウントを悪くしています。もう少しピッチングを考えないとマズいかもしれない。そもそも米国に行ったら、そんなに内角はストライクを取ってくれません」。

 準々決勝以降の会場は米国。内角のストライクゾーンは日本より狭いとされているだけに、幅広い投球が求められる。加えて内角一辺倒の偏った投球だと、相手に配球を読まれやすくなるケースも出てくる。

侍Jにとって第2先発の左腕は貴重な存在「立て直さないと困りますね」

 侍ジャパンが初代王者となった2006年の第1回WBCで投手コーチを務めた武田氏は、球数制限があるだけに第2先発の大切さを強調する。「この大会は第2先発が結構大事です。そこが3~4回を投げてくれると、勝つ形ができてきます」。

 長い回を投げられる左腕は貴重な存在。先発で実績を残し、2大会連続で選出されている宮城には“切り札”として大きな期待がかかるだけに、見る目も厳しくなる。

 入団1年目の2020年にプロ初勝利を挙げた宮城は、2021年から3年連続2桁勝利をマーク。ただ2024年からの2年間は、打線の援護に恵まれない試合も多く、いずれも7勝にとどまっている。

 武田氏は「本当はシーズンで15勝5敗ぐらいの成績が残せる投手。スピードガンと勝負し始めてから、あまり良くない。そこは本人が意識を変えないと」と、以前のように力ではなく球の切れで勝負してほしいと力を込める。

 打線が13点を奪い、5投手の1安打完封リレー発進でも喜んでばかりはいられない。「宮城は不安です。今の感じだと、米国に行ったら危ないと思います。やられてしまいます。立て直さないと困りますね」。まずは1次ラウンドに集中しながら、難敵ぞろいの準々決勝以降も見据えた調整が必要になる。2度目の連覇を目指す侍ジャパンに、宮城の復調は欠かせない。

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