侍J完封リレーも「安打1本で終わってよかった」 専門家はあえて苦言も…目を引いた“秘密兵器”

2番手で登板した侍ジャパン・藤平尚真【写真:荒川祐史】
2番手で登板した侍ジャパン・藤平尚真【写真:荒川祐史】

侍ジャパン先発の山本由伸は3回途中を3四球で降板

 キラリと光る投球だった。野球日本代表「侍ジャパン」は6日に東京ドームで行われた「2026 ワールドベースボールクラシック 東京プール presented by ディップ」初戦のチャイニーズ・タイペイ戦に13-0の7回コールドで大勝して好発進。打線が大谷翔平投手(ドジャース)の先制満塁弾など13安打と大爆発すれば、投げては先発・山本由伸投手(ドジャース)ら5投手で完封リレー。そんな中、野球評論家の新井宏昌氏は敢えて懸念材料を示すとともに、2番手で登板した藤平尚真投手(楽天)を高く評価した。

 2024年の「プレミア12」覇者のチャイニーズ・タイペイを、当時とは違ってメジャー組も加わった侍ジャパンは全く寄せ付けなかった。13安打13得点と大谷の一発などで火がついた打線はすさまじかったが、投手陣も山本ら5人がマウンドに上がって、4番手の北山亘基投手(日本ハム)が1安打を許しただけ。しかしながら、新井氏は「今日出たピッチャーはボール球が多かった」と苦言を呈した。

 先発の山本は3回に連続四球で2死満塁としたところで降板。「山本選手も今日はスプリットがはっきりしたワンバウンドが多くて、それでなかなか決めきれなかった。珍しく、四球を3つ出しましたしね。スプリットを思うように投げられなくて、ちょっと苦しんだと思います」と新井氏は指摘。4回から2イニングを投げた3番手の宮城大弥投手(オリックス)も2四球と1死球を与えており「今日は宮城投手もボール球が多かったし、最後に(5番手で)投げた曽谷(龍平)投手(オリックス)もそう」と首を捻った。

「相手も点を取らなきゃいけないって感じで、ブンブン振ってくるような感じがあって、これはチャイニーズ・タイペイ側に悪循環。逆にいえば、あまりにもストライクばっかり投げていっていたら捉えられることもあったかもしれませんけどね。ボール球を振ってくれることも結構ありましたから」と分析しながらも「これだけ点差があったにもかかわらず、うまく制球できていないところがあったのでね。ヒット1本で終わってよかったですよ」とも話した。

 まだ1試合が終わっただけ。国際大会は、何がきっかけで“流れ”が変わるか、わからない。この日は最高の大勝発進だったが、もしも1点を争う接戦だったら、ひとつの四球が命取りになるケースもあるだけに、これも敢えての注意喚起だ。

「まぁ、それは初戦だったからだと思っておきます。今日投げた人は次の登板では、ちょっと気持ちも変わって、もっといいものが出せるのではないでしょうか。山本選手は大きな舞台で投げてきているし、ほんとにしっかりしていて頼りになる投手。もちろん、ホームランを打たれたりして点を取られることもあると思いますけども、それでリズムを崩して、おかしくなることもないですしね」と次回登板の修正に期待も込めた。

楽天・藤平は「素晴らしかった」

 その一方で新井氏が大絶賛したのが藤平だ。3回2死満塁。山本が作ったピンチを背負って、マウンドに上がり、今季から西武に加入したチャイニーズ・タイペイの3番打者の林安可(リン・アンコー)外野手からフォークで空振り三振を奪った。

「藤平選手は素晴らしかったですね。彼の強い速い球とフォークボールは凄い武器になる。今日はたったひとりの打者に、でしたが、あそこの満塁の場面で本当にいい投球をしたと思います」。平良海馬投手(西武)の故障出場辞退で追加招集された藤平だが、2024年のプレミア12でもリリーフで活躍した実績もある。何よりも三振が取れるのが大きい。

「彼は、これからもああいう場面で行くと思う。難しいピンチの時にマウンドに上がるんじゃないかと思いますね」。まだまだ強豪が待ち構えるWBCだが、新井氏は藤平に秘密兵器の予感すら抱いているようだ。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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