菊池雄星に残る不安も…侍投手陣のキーマンは? 専門家が準決勝先発に指名した28歳

侍ジャパン・伊藤大海【写真:Getty Images】
侍ジャパン・伊藤大海【写真:Getty Images】

日本時間15日の準々決勝の相手はドミニカ共和国-ベネズエラの敗者

 大会連覇を引き寄せる投手は誰か。野球日本代表「侍ジャパン」は、第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンドC組を4戦全勝の1位で突破。日本時間15日に米マイアミで行われる準々決勝では、D組2位のチーム(日本時間12日のドミニカ共和国-ベネズエラ戦の敗者)と対戦する。投手陣で連覇の“キーマン”を探る。

 ドミニカ共和国、ベネズエラ、米国……準々決勝以降に対戦する可能性があるチームのスタメンには、MLBのオールスター級の顔ぶれがズラリ。はっきり言って、1次ラウンドの相手とはレベルが違う。ここからは負けたら終わりのトーナメントでもある。

 現役時代にNPB通算2038安打を放ち、現在MLB中継の解説で活躍する野球評論家・新井宏昌氏は「そこでキーマンとなる投手と言えば、まず山本由伸(投手=ドジャース)でしょう。打線における大谷翔平(投手=ドジャース)もそうですが、山本はMLBでもトップ級の選手であり、どのチームも恐れ、警戒する投手ですから。おそらく準々決勝に先発するでしょう」と見る。

 山本は1次ラウンドでも初戦のチャイニーズ・タイペイ戦の先発を任され、3四球と本人としては制球に苦しみながらも、2回2/3、無安打無失点と危なげなかった。昨年のワールドシリーズで大車輪の働きを演じMVPに輝いた山本なら、準々決勝以降、どんなスーパースターが相手でも格で劣ることはない。

 球数制限も1次ラウンドの65球から、準々決勝では80球、準決勝・決勝では95球に増える。新井氏は「山本には少しでも長いイニングを投げてほしいところです」と期待する。

 山本で準々決勝に勝利した場合、大会連覇へ向けて改めて問題になるのが、準決勝以降の先発投手の人選である。1次ラウンドの韓国戦に先発した菊池雄星投手(エンゼルス)は、立ち上がりの初回に4安打を集中され一挙3失点。大会開幕前に行われたオリックスとの強化試合に先発した際も初回に3失点しており、不安が残った。

「気持ちでそのコースに投げ切るんだという精神力を感じる」

 菊池に代わる先発候補として、新井氏が“イチ推し”するのは伊藤大海投手(日本ハム)だ。1次ラウンドでは韓国戦で、先発の菊池の後を受けて4回から登板し、いきなり先頭打者に死球をぶつけた上、キム・ヘソン内野手(ドジャース)に2ランを浴びたが、その後は立ち直り追加点を許さなかった。

 新井氏は「伊藤はコントロールが良く、変化球も多彩ですし、何より『気持ちで、そのコースに投げ切るんだ』という精神力の強さを感じます」と評する。

 伊藤は2021年の東京五輪・準決勝の韓国戦では、7回から救援登板。投げるたびにロジンの白い粉が舞うことを、相手打者に抗議された。球審は認めず、伊藤も構わずさらにロジンバッグに手を伸ばし、結局2イニングを3奪三振無失点に抑えたことから「伊藤大海の追いロジン」と話題になった。国際試合での舞台度胸も実証済みなのだ。

 侍ジャパンの打線は1次ラウンドで、MLBで実績のある大谷、鈴木誠也外野手(カブス)、吉田正尚外野手(レッドソックス)が、いずれも2本塁打を放った。準々決勝以降もパワーでひけを取ることはなさそう。あとは先発をはじめ投手陣がいかにオールスター軍団の迫力満点のスイングを掻い潜り、試合をつくるかだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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