第1回WBCで投手コーチを務めた武田一浩氏、侍ジャパンの抑え事情に提言
侍の守護神は誰が最適か——。野球日本代表「侍ジャパン」は、第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド・プールCを4戦全勝で飾った。プールC1位で、チームは決戦の地マイアミへ。14日(日本時間15日)の準々決勝に臨む。
4試合を終え、登録されている14投手全員が登板。持ち味を十分に発揮した投手もいれば、不安を露呈した投手もいる。現役時代にNPB通算89勝をマークした右腕で、NHKのMLB中継などで解説を務めている野球評論家・武田一浩氏は「抑えを誰にするかが焦点になる」と決勝トーナメントのポイントに言及した。
「僕は抑えに種市を使うと思います。僕が監督やコーチの立場だったら『種市でいきましょう』と言います」
WBC初出場の27歳右腕は、初登板となった7日の韓国戦で最速156キロの直球と140キロ台のフォークで3者三振と圧倒的な投球を披露。連投となった8日のオーストラリア戦でもパフォーマンスが落ちることはなく、2三振を奪って簡単に3人で片づけた。
チェコ戦では登板がなかったものの、1次ラウンドは2試合で打者6人に対して無安打5奪三振と完璧な投球。内容も全く危なげなく「フォークボールがいいし、ストレートでも空振りが取れる。気持ちが強いし、投げっぷりがいい。投球に迷いがない」と評価する。
当初は伊藤大海を推していたが「伊藤と種市は、いいところで使うでしょう」
所属するロッテでは2019年に中継ぎの経験があるものの、2020年以降は先発しかしていない。昨年も登板した24試合は全て先発。抑えの適性は未知数だが、侍ジャパンが初代王者となった2006年の第1回WBCで投手コーチを務めた武田氏は「全く問題ないと思います。できます。雰囲気があるし、性格的にも大丈夫そう。勢いでやり切っちゃう可能性がある」と期待する。
2009年のWBCでは、最終的にダルビッシュ有投手が抑えを務めて連覇を達成。その経緯も踏まえ「シーズンで先発している投手を抑えで起用するパターンはあり得ます。このラウンドの状態を見ていると、やるかどうかは監督、コーチ次第ですけど、種市の抑えはあります」と力を込めた。
7日の韓国戦後、武田氏は伊藤大海投手の抑え起用を推していたが、連投で結果を出したオーストラリア戦で種市の評価が急上昇。「球と投げっぷりを見ていると、種市が一番向いている。あとは井端監督が、それをやり切れるかどうかですけど、伊藤と種市は、いいところで使うでしょう」と予想した。
一方で、1次ラウンドで9回のマウンドを2試合任された大勢には不安を隠さない。1回無失点だった韓国戦後も「直球がシュート回転するから、米国に行ったら一発が怖い」と指摘しており、オーストラリア戦では2被弾。「シュート回転すると、打球が飛ぶんです」と懸念を示した。
さらに大勢について「このラウンドを見る限りは絶好調ではない」と分析。「球は速いけど、あのくらいの球速の投手はメジャーにもいます。シュート回転は命取りです。僕がコーチなら、使うのが怖いです」と慎重な姿勢を示した。
準々決勝以降は楽な試合展開は望めない。抑え投手は重要な役割を担う。それだけに人選は大きなポイント。連覇の鍵を握っているといっても過言ではない。