吉田輝星、“新球種”に手応え「あとは感覚だけ」 TJ手術から復活へ…直球も進化「全然違う」

昨季は1軍登板なし、吉田輝星が目指すTJ手術からの復活
オリックスの吉田輝星投手が、“新球種”を武器に、トミー・ジョン手術(TJ)からの復活を目指している。「やっと腕が振れるようになってきました。高めでも変化はしていたので、低めにいけば結構、落ちると思います」と語り、今年から投げ始めた新しい球種「ティアドロップ」の手応えを語った。
吉田は7日、京セラドームで行われた巨人とのオープン戦に登板。8回に6番手でマウンドに上がり、1イニングを無失点に抑えた。「ティアドロップ」は、右打者の内角を攻めるチェンジアップ。オフに動作解析などのサポートを受けている鹿屋体大(鹿児島)で、2024年12月から、習得に向けて取り組んできたボールだ。
「トラックマン(計測機器)のデータでは、(ストライクゾーンの)四隅のうち、チェンジアップを右下の角に落とす投手は少ないと聞いて、実験的に投げていたら手応えがあったんです。チェンジアップにしたら(球速が)遅いんですが、左投手が投げる変化量が少なくカーブのような球速で落ちていく感じ。ゆっくりなボールなんですがそんなに膨らみがなく、奥行きだけがめっちゃ出て、けっこう落ちるようになったんです」
昨年、春季キャンプ中に右肘を痛めて離脱。TJ手術後のリハビリは順調に進み、昨年12月から1月にかけて行った鹿屋体大での自主トレで、ようやく投げるめどが立った。
「ティアドロップ」の呼び名は、練習を手伝ってくれていたデータマンがつけたもので、吉田が身に着けていた“しずく型の眼鏡”がヒントになったようだ。ティアドロップは、米空軍がパイロットのために開発を依頼したサングラスの形で「涙のしずく」を表しており、「その人がふざけて『涙が落ちるようなチェンジアップ』と言って、定着したんです」と吉田が明かした。
巨人戦では、佐々木俊輔外野手に高めに入ったティアドロップを二塁打にされた。痛打されたが「ちゃんと意図した感じで投げることができず、すっぽ抜けました。投げどころが悪いだけで、あとは感覚だけですね。ベース板にポトッと落とす感じで投げればいけると思います」と、新球に手応えを掴んでいる。
TJ手術後は、ストレートやスライダーのキレも増したという。「球の走り、キレも出ていて、145キロの真っすぐが、今までの145キロとは全然違う感じがあります。真っすぐ高めでファウルを取って、スプリットで空振り、ティアドロップで奥行きを出して三振で仕留めたいですね」とイメージを膨らませている。
春季キャンプ前に宮崎市の小戸神社に奉納した絵馬に書いた文字は「大復活」。昨年3月7日のTJ手術から約1年。開幕1軍を勝ち取り、フル回転で復活を果たしてみせる。
(北野正樹 / Masaki Kitano)