生死分ける侍J投手陣の見極め 総力戦の決勝T…金丸夢斗は「日本の切り札になるかも」|解説者の眼

侍ジャパン・種市篤暉、伊藤大海、隅田知一郎、金丸夢斗(左から)【写真:荒川祐史、小林靖、加治屋友輝】侍ジャパン・種市篤暉、伊藤大海、隅田知一郎、金丸夢斗(左から)【写真:荒川祐史、小林靖、加治屋友輝】

第1回WBCで投手コーチを務めた武田一浩氏が語る決勝トーナメントの戦い方

 決勝トーナメントでは、第2先発の概念は必要ないかもしれない。野球日本代表「侍ジャパン」は14日(日本時間15日)、第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の準決勝でベネズエラと戦う。1次ラウンドの4試合を終え、登録されている14投手全員が登板。負ければ敗退となる決勝トーナメントでは、どの投手をどの場面で起用していくかが勝敗の鍵を握る。侍ジャパンが初代王者となった2006年の第1回WBCで投手コーチを務めた武田一浩氏が「負けたら終わりなので、調子のいい投手をどんどん使っていくと思う」と今後の投手起用を予想する。

「準々決勝は山本由伸が先発。次は80球まで投げられるので、5回ぐらいまでいけます。そうなると6〜9回を誰に任せるか。監督やコーチは、山本の次に投げる投手をすごく考えていると思います」

 1次ラウンドは先発投手の球数制限が65球に設定されていたが、準々決勝は80球、準決勝と決勝は95球となる。1イニング15球前後とすれば、準々決勝の先発投手の目安は5回75球。6回以降は継投を計算しておく必要がある。

 現役時代にNPB通算89勝をマークした右腕で、NHKのMLB中継などで解説を務めている野球評論家の武田氏は「一発勝負の決勝トーナメントでは、先発投手が降りたら、状態のいい投手をどんどんつぎ込む必要があります」と説明。「今後は首脳陣が、状態がいい投手を見極めることが重要になってくる」と続ける。

 球数制限が65球だった1次ラウンドは第2先発、第3先発も用意していたが、準々決勝以降は「第2先発という感じではないと思います」という。1イニングずつを、好調な投手が確実に抑えるのが理想の展開。「6〜9回の4イニングを4人で抑える必要があります。その人選をどうするか」と思考を巡らせる。

チェコ戦で好投した侍ジャパン・金丸夢斗【写真:小林靖】チェコ戦で好投した侍ジャパン・金丸夢斗【写真:小林靖】

左腕では金丸が一番の評価、宮城は「まだいい時の宮城ではありません」

 その中で注目したのが、チェコ戦で0-0の7回から3番手で登板した金丸夢斗投手だ。関大から2024年ドラフト1位で中日に入団した23歳左腕。ルーキーイヤーの2025年は打線の援護に恵まれず、15試合に先発して2勝止まりも、防御率2.61と投球自体は安定していた。

 武田氏は「去年は中日が弱かったから勝ち星が伸びなかった。2桁は普通に勝てます」と潜在能力を評価。「球は一流です。日本代表の切り札になるかもしれない。この後、もっと状態が良くなっていくから、日本を代表する左投手になります」と期待を寄せる。

 左腕では「金丸が一番良く見えました」と言い、隅田知一郎投手も「いい球を投げていた」と評価。チェコ戦が2試合目の登板となった宮城大弥投手については「前回より良くなっています。力みもなくなってますけど、まだいい時の宮城ではありません」と不安を示す。

 右腕では伊藤大海投手、種市篤暉投手、高橋宏斗投手に注目。ただし高橋に関しては「状態はいいけどタイプ的に、あまりリリーフタイプじゃない。長い回の方がいい感じがします」と評する。自チームでセットアッパーを務める大勢投手と松本裕樹投手については「シュート回転しているし、米国では使いづらい」と厳しくジャッジした。

 最終的には井端弘和監督を含めた首脳陣の判断となるが、武田氏の主張は終始一貫している。「負けたら終わり。いい投手を見極めて、どんどん使っていかないといけません」。状態がいい投手をつぎ込み、強打者を抑える。その積み重ねが、連覇を引き寄せることにつながる。

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