引退スピーチで球団に“異例の謝罪” 「調子に乗っていた」…意識変わった開幕戦9失点KO

三嶋一輝は13年間の現役生活に終止符、引退セレモニーが行われた
昨季限りでDeNAを戦力外になり、現役を引退した三嶋一輝氏の引退セレモニーが14日、横浜スタジアムで行われた。スピーチでは「先発として球団に期待をされ、それをしっかり裏切り、本当に迷惑をかけました」と異例の謝罪。かつて「調子に乗っていた」と話す右腕を変えた、開幕戦での9失点KO劇があった。
3万人を超えるファンに見守られてグラウンドに立った三嶋の口から出たのは、自責の念だった。2012年ドラフト2位で入団し、ルーキーイヤーに34登板(22先発)で6勝をマーク。2014年の開幕投手に抜擢された。
まだ若かったあの頃、意気揚々と上がった栄光のマウンドで、まさかの初回だけで7失点。結局2回9安打9失点KOとなり、同年は8登板(5先発)で1勝2敗、防御率10.88という成績が残った。
「2年目の開幕投手のあのとき、僕も鮮明に覚えています。それまでの自分のキャンプから野球に取り組む姿は……。周りは何をしても評価してくれて、それに勘違いした自分がいて、本当に野球に向き合えたかというと全然向き合えてなかったんです」
しかしそこで変われる強さがあった。野球と向き合えたからこそ、リリーフ転向も、国指定難病「黄色靭帯骨化症」の手術も乗り越えてきた。近年は2軍暮らしが長かったが、誰よりも早く来て体を動かす姿は若手の見本だった。苦楽をともにしてきた山崎康晃投手は「三嶋さんがこれだけやっているんだから、僕もやらないといけないなという気持ちに何度もさせられました」と話すほどだ。13年間の現役生活を終えた三嶋は、穏やかな表情で振り返る。
「あそこでチームの先発投手としての野球に対する取り組みとか全部があれば、僕はリリーフをやっていないかもしれないし、ある意味いろいろな転機というか。いいか悪いかはわからないけど自分の野球人生を左右した。そんな思いをしたからこそ、いろいろな人の思い、気持ちを理解するようにはなりましたね」
セレモニーを終えて一段落した35歳は「今日でユニホームは最後になりますけど、外からしっかり応援して、やはり優勝してほしいですね。本当にそれだけです」と愛するチームの未来に思いを馳せた。
(町田利衣 / Rie Machida)