侍J敗戦で…専門家が危惧した“日本の未来” 見逃せぬNPBの空洞化「層が薄くなった」

佐藤&森下は「これからのジャパンを背負っていく」
■ベネズエラ 8ー5 日本(日本時間15日・マイアミ)
このままでは厳しい。野球日本代表「侍ジャパン」は14日(日本時間15日)のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準々決勝・ベネズエラ戦(米国フロリダ州マイアミ、ローンデポパーク)に5-8で敗れた。大谷翔平投手(ドジャース)らメジャー選手を主力にして史上最強と言われたが、2度目の大会連覇はならず、6大会連続のベスト4進出も逃した。野球評論家の新井宏昌氏は今後の課題としてNPB打撃陣のレベルアップを求めた。
先発・山本由伸投手(ドジャース)が初回、ロナルド・アクーニャJr.外野手(ブレーブス)に先頭打者アーチを許すと、その裏には「1番・指名打者」の大谷がお返しの同点ホームラン。1点を追う3回には佐藤輝明内野手(阪神)が右翼線に同点二塁打を放ち、なおも1死二、三塁で右膝を負傷した鈴木誠也外野手(カブス)に代わって途中出場の森下翔太外野手(阪神)がレフトスタンドへ勝ち越し3ランと序盤は日本がリードした。中盤以降、追加点を奪えず、リリーフ陣が打たれて逆転負けしたものの新井氏は打線に関しては「5点取ったんですからね」とまず、称えた。
「大谷選手はじっくり3球、ボールを見て(2ボール1ストライクの)バッティング有利なカウントから、インサイドからのスライダーだと思うんですけど、ワンスイングでものの見事なホームラン。素晴らしかった。阪神勢もそう。佐藤選手はスタメンのチャンスを生かしましたし、森下選手は難しい外角へのチェンジアップを完全に泳ぐような形でしたけど最高の3ランを打ちました。佐藤選手と森下選手はこれからのジャパンを背負っていくのかなと思い起こさせるような活躍だったと思います」
それでも勝てなかったが「攻撃陣はそれなりに力負けしたわけではないと思う。ホームランが向こう(ベネズエラ)が3本で、こっち(日本)が2本。そのホームランの差で負けてしまったという感じ。今日は(日本が)本来のブルペン陣を組めなかったことにあると思います」と新井氏は野手陣を評価した。しかしながら、今後の侍ジャパンに向けては、その野手陣の方に“注文”をつけた。
「前回大会までは各国、メジャーに在籍していても出て来ない選手が多かったわけですが、今回は国の威信をかけてメジャーの選手がどんどん出るようになった。だからレベルもこれまでよりも高かったと思う。それはこの先もそうでしょうし、日本もそれに負けないような力をつけていく必要がある。特にNPBの攻撃陣。メジャーにいる人たちに負けないような選手が出てくることが課題。そういうバッターたちが出てこないと試合に勝ち抜いていくのは難しいと思います」
米国流でデータ重視も…気になる“低打率&本塁打減少”
新井氏はここ数年のNPB打者陣の成績に危機感を抱く。「去年(2025年)でもそうですけど、このところ、(打率)3割以上の人が少ないし、ホームランを打つ人が少ない。本当にいいバッターの層が薄くなった」。この日、活躍した佐藤や森下の存在があっても、まだまだ足りない。「NPBでも動作解析とか、いろんなアメリカの方からの、レベルアップを目指すものが取り入れられていますけど、にもかかわらず、ホームランを量産しているわけでもないし、アベレージが上がっているわけでもないし……」と奮起を促すようにも話した。
「ピッチャーはこれからも(いい選手が)出てくると思います。ですからバッターですよね。3年後には新しい、今、名前が全然出て来ない人、あるいは今いる人たちのなかから、成長著しい人が出てくることを期待しますし、そうならなければ”WBC優勝を目指す”という言葉も出て来ないと思います」
今季から岡本和真内野手(ブルージェイズ)と村上宗隆内野手(ホワイトソックス)がメジャー入りしたため、なおさらNPB野手陣の小粒化は気になるところ。大谷らも当然、年齢を重ねていくのだから次回の巻き返しに“日本の後継者”の育成は急務だ。
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)