1日の日本ハム戦で移籍後初登板、5回1安打無失点の快投で今季初勝利
たくましい顎髭を蓄えた助っ人が、トレードマークのもじゃもじゃヘアをなびかせロッテでの1勝目を刻んだ。DeNAから新加入したアンドレ・ジャクソン投手が1日、エスコンフィールドで行われた日本ハム戦で移籍後初先発し、5回1安打無失点の快投。「最初の登板で勝ちがついてうれしく思っています」と満足気に微笑んだ。
「開幕前に迷惑をかけた」と振り返ったように、3月上旬に家事の際に右手指を負傷。開幕投手候補だったが離脱となり調整遅れが懸念されたものの、蓋を開けてみればNPB2年間で18勝を挙げた実績をいかんなく発揮した。
2024年に来日し、25試合に登板して計143イニングを投げ、8勝7敗、防御率2.90。日本シリーズでは初戦先発の大役を任され、中4日で第5戦にも先発するなどフル回転で26年ぶりの日本一に貢献し、シリーズ優秀選手に輝いた。2025年も25試合で計150回2/3を投げ10勝7敗、防御率2.33のフル回転だった。
DeNAにとっては欠かせない働きを見せていた右腕。当然オフには残留交渉が行われた。複数球団による争奪戦とも言われる戦いを制したのが、ロッテだった。
なぜジャクソンは、幕張の地で戦うことを選んだのだろうか。
「もちろんいろいろな理由があるんですけど、ひとつ言えるのは、リーグを越えて、違ったリーグで自分の力を試したいというのが大きかったです。リーグによって違う、パ・リーグの野球があると思っていて、そういうものを経験したいなというのがありました」
まだシーズンでの登板は1試合に過ぎないが、実際に体験したかったパ・リーグの野球に身を置いた。“違い”について「チームによって違うと思いますが、パ・リーグの方がパワーヒッターというか、長打が打てる打者がいっぱいいるんじゃないかなという印象は、今まで見てきた中でもありますね」と明かした。
また指名打者制とあって投手は打席に入らないため「リラックスして集中できるのでいいのかな。投球に専念できる部分はあります」。一方で、「でも打つ方も好きだから……」とちょっとだけ寂しそうな表情を浮かべた。
実はジャクソン、昨年8月29日の中日戦(横浜スタジアム)で柳裕也投手から左中間スタンドへの3ランを放っているのだ。パ・リーグに移籍したことで2年連続アーチのチャンスは“消滅”するが、「交流戦でチャンスはあると思うので、投手としてバットを持って、そこでホームラン打ちたいかな」と意欲十分。2027年シーズンからはセ・リーグでも指名打者制が導入されるため、投手が打席に立つことがなくなる。本当の“最後のチャンス”を心待ちにしている。
「千葉でも毎日楽しくプレーできているので、本当にいいチームだな」
来日3年目を迎えた29歳。「いい環境の中で、いいチームメイト、スタッフに恵まれています。もちろん横浜でもそうでしたけど、本当に自分に尊敬を持って接してくれる。千葉でも毎日楽しくプレーできてるので、本当にいいチームだなと思っています」という言葉に、充実感がにじんだ。
そんな新天地でも変わらず存在感を放っているのが、トレードマークの顎髭だ。どんなこだわりがあるのかと思いきや、「自分の体の一部。こだわりとかいう意識はないです。もう9、10年前くらいからですかね。それくらい自分の顎を見ていないです」と驚きの事実も明らかになった。
「もちろん登板した試合は勝ちたいですが、なかなか結果がどうなるかは自分がコントロールできるものではない。でも登板したときには自分の実力をしっかり発揮して、チームに貢献できるようにしたいです」とジャクソン。クレバーな助っ人右腕が、最下位からの巻き返しを図るチームを押し上げていく。
(町田利衣 / Rie Machida)